日本電信電話(以下、NTT)は5月9日、2024年度の決算について説明会を開いた。営業収益は対前年3302億円(2.5%)増の13兆7047億円と過去最高を更新。営業利益は同2733億円(14.2%)減の1兆6496億円、当期利益は2795憶円(21.8%)減の1兆円で着地し、増収減益となった。
2024年度の増収は総合ICT事業とグローバルソリューション事業がけん引
セグメント別に見ると、総合ICT事業はモバイル通信サービス収入の減少があったがNTTドコモのスマートライフ事業における金融・決済サービスを中心とした成長により対前年731億円増加した。一方で、NTTドコモの顧客基盤強化とネットワーク品質の向上に向けた投資などにより同1239億円の減益となった。
地域通信事業はネットワーク収入の減少に加えて、前年度に実施したノンコア事業のスリム化の反動を受け、対前年709億円の減収と同1422億円の減益。グローバルソリューション事業は国内におけるデジタル化需要の取り込みと為替影響を受けて同2713億円の増収と同143億円の増益。
不動産やエネルギーを含むその他事業では、NTTアーバンソリューションズにおけるデータセンターエンジニアリングの拡大などにより対前年936億円の増収。一方で前年に実施した資産売却による利益減を受け同40億円の減益となった。
島田社長「2025年度は中計目標の達成に向け各施策を加速」
2025年度の業績予想だが、営業収益は対前年4853億円増の14兆1900億円、営業利益は同1204億円増の1兆7700億円、当期利益は400億円増の1兆400億円と増収増益を見込む。グローバルソリューション事業や総合ICT事業の増収を中心に全セグメントで増収となる見通し。
代表取締役社長の島田明氏は「2025年度は2027年度の中期経営計画目標の達成に向けた各施策を加速していく年だと考えており、中期的な利益拡大に向けた施策を積極的に実施していく」と述べた。
具体的には、データセンター事業やスマートライフ事業といった成長分野への高水準での投資を継続する。なお、現中期経営戦略では2027年に約8兆円の成長分野への投資を公表している。