IFSは英国時間4月23日、同社のクラウド型業務アプリケーション群「IFS Cloud」の最新リリース「IFS Cloud 25R1」を発表。AIアシスタント「IFS.ai」を活用し、ビジネス成果を迅速かつ大規模に引き出すエージェント型AI機能を強化している。
「IFS Cloud」は、サービスマネジメントや設備保全、サプライチェーン、プロジェクト管理、財務といった多岐にわたる業務領域に対応した統合型ソリューション。今回のアップデートでは、産業用AIと持続可能性を中核に、資産・サービス集約型の業界向けに200以上のAI機能を利用可能にした。これにより、ワークフローの自動化やサプライチェーンの最適化、重要サービス機能の強化など、資産ライフサイクルや製造プロセス全体にわたる産業用AIの活用が可能となる。
主な新機能として、IFS.aiを活用したスペアパーツの需要予測と在庫補充により、安全在庫や再発注点、最適ロットサイズを自動で算出し、迅速かつ効率的な在庫管理を実現する機能を追加。また、2D/3Dのエンジニアリングデータを取り込んで保守情報と重ねて表示することで、保守チームとエンジニアリング部門の連携を強化し、先を見越した意思決定を支援する機能も実装している。
さらに、外部業者の保守レポートからデータや推奨事項を抽出してフォローアップ作業を特定する機能、非構造化データをもとにサプライチェーンイベントを要約し、全体の可視性とレジリエンスを高める機能も搭載。加えて、営業見積、出荷指示、顧客オーダー処理に対応した「IFS.ai Copilot」を強化しており、業務効率や生産性の向上、注文ミスの削減、顧客対応力の強化に寄与するとしている。
このほか、AI/MLを活用して製造オーダーの作業時間を予測し、遅延リスクを早期に特定・軽減する機能や、スコープ1および2の温室効果ガス排出量を正確に算定・追跡できる排出量管理機能も新たに追加した。
なお、IFSは6月末までの期間限定で、IFS.aiのすべてのユースケースへのアクセスと初期導入トークンを含む導入支援プラン(12カ月のサブスクリプション)を提供している。これにより、導入リスクを抑えながら迅速な効果検証を可能にし、AIの使用量を標準化して変動コストのリスクを回避できる仕組みも備えている。