シヤチハタは4月21日、最新のDXソリューションである「SDXプラットフォーム」を発表した。ラウンドテーブルには、シヤチハタ デジタルソリューション本部執行役員 上甲英明氏、同社 デジタルソリューション本部 デジタル認証事業部部長 石井慶氏、同社 デジタル認証事業部 Shachihata Cloudエバンジェリスト 林舞氏、SPinnoパートナーセールスセクションMG 菱沼紀博氏が登壇した。
DX事業開始から30周年のシヤチハタ
シヤチハタは、1925年に飛躍的な業務効率化につながるスタンプ台を開発したところから事業をスタート、2025年で100周年を迎えた。現在ではアナログ・デジタルに捉われず「しるしの価値」の提供を続ける企業として、ハンコのデジタル化などにも注力している。
「シヤチハタのDX事業は2025年で30周年を迎えました。2020年に契約・承認プロセスのデジタル化を推進する『Shachihata Cloud』をローンチし、2024年には企業の意思決定の高度化と生産性向上を支援する『Smartec Vision』をローンチしました」(上甲氏)
Shachihata Cloudは、紙で行っていたワークフローを、運用を変えることなくデジタル化できる電子決裁サービス。電子印鑑で簡単に稟議書や申請書といった社内文書から、見積書や請求書などの取引先との決裁文書に至るまで対応している。
ラインアップとして、電子契約、経費精算・勤怠管理、グループウェア、ファイル管理・共有、帳票発行、文書保存、電子印鑑&ワークフローを展開している。
一方のSmartec Visionは、中小企業向けのDXツールで、データ入力フォーム作成、システム連携、ダッシュボード作成、レポート作成、CSV出力などを提供する。Smartec Visionの第1弾としてリリースされた「営業管理システムSV」は、表計算ソフトよりも簡単に営業管理ができる営業支援ツール(SFA)。
「売上管理・数字管理ができていない」「営業の案件管理をExcelや紙で行ってうまく運用できていない」「契約までの受注や失注要因を分析・把握・共有できていない」などの悩みを抱える中小企業が利用することで、データの見える化、業務改善、営業力強化が図れるサービスとなっている。
「SDXプラットフォーム」の概要
今回発表された「SDXプラットフォーム」は、Shachihata CloudとSmartec Visionを組み合わせたソリューションだ。
「企業の多様化するニーズに応え、DX推進をよりスムーズかつ効果的に実現するため、Shachihata CloudとSmartec Visionの強みを融合した『SDXプラットフォーム』を誕生させました」(林氏)
SDXプラットフォームは、実際の運用に合わせた自由度の高いカスタマイズが可能。Shachihata Cloudのワークフロー機能やバックオフィス機能、Smartec Visionのデータ連携やデータ可視化などを統合的に活用できるだけでなく、すべてのデータを一元管理することが可能になる。
「納品書・請求書など紙書類が多く、処理に時間がかかる」「生産現場と事務側の情報連携が非効率」「製造指示・変更管理・承認フローが煩雑」といった課題に対して、「納品書・請求書の自動発行と一括送信」「工場・営業間でのデータ一元化(在庫・出荷・売上)」「ワークフロー機能で設備変更や製造指示の承認プロセスを電子化する」といった機能により解決を支援する。
同プラットフォームは以下のように、経理部門、営業部門など、さまざまな部門で利用できるという。
- 経理部門:請求書発行、請求書受取、帳票発行
- 管理部門:契約内容交渉、電子契約運用同意、電子契約、締結済み文書管理、電子契約、締結済み文書管理
- 営業部門:見積書送付、営業管理・顧客情報管理
- 経営企画部門:予算管理、経営管理
第1弾として発表された「帳票管理」は、業務プロセス毎のデータをシームレスに一元管理し、プロセスごとに用途に応じたデータの可視化や帳票出力などが可能となるサービス。
請求業務においては、請求書の発行から送付データの管理、受取側の状況可視化までを一元化できるようになることで、請求書にまつわる煩雑な作業や労力、時間を確認作業に充てることができるようになり、ミスの防止や低減にもつなげたいという。
請求書の受取側は費用負担なしでいつでも何度でもWebからダウンロードできるようになる。各種帳票(領収書、納品書、明細書など)も、テンプレート作成から一括発行からデータ一元管理まで一括対応が可能。