TISインテックグループのTISおよび日本ICSと広島銀行は4月21日、請求書の受領から銀行振込による支払までをデジタル化するプラットフォーム「DX Connect Gate」を6月から提供開始することを発表した。
「DX Connect Gate」提供開始の背景
多くの中小企業は請求・支払・資金管理といった経理業務のデジタル化が不十分で、手作業による処理が依然として多い。また、デジタル化を進めるためにシステムやクラウドサービスを導入していても、取引先が異なるサービスを利用している場合にはデータ連携をスムーズに行えず、アナログな業務が残る。結果として、取引や業務ごとにシステムが分断されるといった課題を抱える。
こうした中小企業の課題に対してTISと広島銀行は、請求書の取り込みから精算までを一貫して行う「DX Connect Gate」の開発および共同での事業展開に向け、合意に至ったとのことだ。
「DX Connect Gate」の特徴
「DX Connect Gate」は企業の請求書受領から精算までのバックオフィス業務を支援するプラットフォームで、銀行への送金指示までをAPI(Application Programming Interface)で自動連携する。
紙やメール、Excelなど複数のツールで管理していた受領請求書を一元管理できるため、請求書情報の再入力の手間を削減し、入力ミスのリスクを低減。また、手作業で行われていた仕訳の記帳業務や支払管理業務を効率化して属人化からの脱却を支援する。
請求支払においては、支払条件に応じて銀行振込だけではなく、請求書カード支払サービス(BPSP:VISAが提供する企業間の請求書払いを代行するスキーム)も利用可能。これにより中小企業の資金繰りの改善に貢献する。
請求書情報や支払データが一元管理されることで、リアルタイムでの財務状況可視化をサポートする。これにより経営指標や支出状況の把握が容易になり、意思決定のスピードと正確性が向上する。
また、企業の既存システムと連携しながら必要に応じて機能を拡張できるため、大規模なシステム再構築は不要で、システム移行にかかるコストを抑えつつ現場の混乱を最小限にとどめたスムーズな運用開始も可能だという。