NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とNTT QONOQ(コノキュー)は、三越伊勢丹グループの広島三越および岩田屋三越と共同で、デジタル技術を活用した新たな接客の実現に向けた取り組みを開始したと4月16日に発表した。

  • デジタル技術を活用した新たな接客の実現をめざすための取り組み

    デジタル技術を活用した新たな接客の実現をめざすための取り組み

広島三越ではこれまで、顧客の要望に応じて外商員が首都圏店舗への来訪に同行し、現地で商品を紹介するなど、個別対応によるサービスを提供してきた。今回の取り組みでは、NTT Comとコノキューのリアルタイム映像伝送技術を活用し、遠隔地からでも鮮明に商品を確認できる環境を整備。首都圏の店舗に足を運ぶことが難しい顧客に対しても、高品質な接客サービスを提供するための取り組みを行った。

使用した主な機材は、NTT Comが提供するディスプレイ型コミュニケーションデバイス「OPEN HUB Window」と、コノキューが開発した軽量XRグラス「MiRZA」、およびMR技術を活用したビデオ通話機能を持つ「NTT XR Real Support」など。前出のOPEN HUB Windowでは、4K画質・等身大での映像・音声通信を低遅延で実現し、離れていても同じ場所にいるかのようなコミュニケーションを可能にする。

これらを組み合わせることで、広島三越と約250km離れた岩田屋三越(福岡)を接続し、広島の来店者が福岡店舗の商品をその場でリアルタイムに閲覧・相談できる環境を構築した。

  • この取り組みのイメージ

    この取り組みのイメージ

実際に体験した来店者からは、「OPEN HUB Windowの映像が非常に鮮明で、商品の細部まで確認できた」「MiRZAを通して販売員の視点が見られ、まるで生中継のようでワクワクした」といった好意的な声が寄せられたという。また、この体験を契機に、広島から福岡の店舗を訪れた顧客も確認されており、地域間の送客効果も一定程度あったとしている。

  • OPEN HUB Windowを活用した実際の遠隔接客のようす

    OPEN HUB Windowを活用した実際の遠隔接客のようす

今後はNTTが推し進める新しいコミュニケーション基盤「IOWN」や、AIなどの先端技術も活用し、首都圏と地方店舗をシームレスにつなぐ新たな高品質接客の構築をめざす。

なお、今回の実証における各社の役割は、NTT Comが企画とプロジェクト管理、映像伝送システムの構築・提供を担当。コノキューがXR機器の提供を行い、広島三越と岩田屋三越が顧客対応と現場での接客を担った。

  • MiRZAとNTT XR Real Supportを活用した接客のイメージ

    MiRZAとNTT XR Real Supportを活用した接客のイメージ