Windows 10のサポート終了が半年後に迫る中、Microsoftではユーザーに対してWindows 11への移行を促す新たなサポート文書として「7 Tips to Get the Most Out of Windows 11」を公開した。
この内容に対し、Windows Latestは4月11日(米国時間)、「Microsoft urges users to ditch Windows 10 for Windows 11 because it's better in 7 ways」において、Microsoftの主張には同意できない部分があると批判している。
Windows 10ユーザーへのメッセージとしては不十分
Microsoftは、Windows 11を最大限に活用するためのヒントとして、次の7つの項目を挙げている。
- スタートメニューを自分好みにカスタマイズする
- マルチタスクのためのスナップレイアウトをマスターする
- プロジェクトごとにデスクトップを作成する
- ウィジェットで最新情報を把握する
- フォーカスで作業に集中して取り組む
- Windows Helloでログインする
- 快適に過ごすためにダークモードを有効にする
Windows Latestが特に不正確と指摘しているのは、1番目のスタートメニューのカスタマイズだ。Micorosoftは、ピン留めやタイルの並べ替えによってスタートメニューをカスタマイズできると主張しているが、逆に言えばカスタマイズできるのはその程度であり、Windows 10のようにスタートメニューサイズや場所を変えたり、表示項目を調整したりといったことはできない。そもそも、Windows 11のスタートメニューにはタイルはなく、恐らくアイコンのことを指しているものと思われる。
Microsoftは現在スタートメニューの大幅な改修に取り組んでいるので、近い将来、もう少しカスタマイズ性は上がるかもしれない(参考記事:Windows 11のスタートメニューが大幅リニューアル | TECH+(テックプラス))。しかしこの取り組みはまだプレビュー段階であり、まだ正式採用が決定したわけではない。
一方で、確かに有用と思われる機能もリストアップされている。「スナップレイアウト」は、開いているウィンドウをあらかじめ定義したレイアウトに整理できる機能で、画面のサイズや向きに合わせてワークスペースを調整できるため生産性向上に役立つ。複数のデスクトップを作成できる機能も、作業ごとに異なる環境を用意してトラックパッドで簡単に切り替えられるので、マルチタスクに便利な機能である。
ただし、Windows Latestの指摘するように、Windows Subsystem for Linuxや、新しいSnipping Tool、エクスプローラーのタブ機能といった、本当の意味で有用な機能がこのリストに含まれていない点は大いに気になる。
いずれにしても、Windows 10のサポートは2025年10月14日で終了し、ユーザーはWindows 11か、その他のOSへの移行を余儀なくされる。または、有償の延長サポートに加入するという選択肢もある。MicrosoftがWindows 10ユーザーに移行を促すには、より核心を突いたメッセージが必要と言えるだろう。