
「新卒として入社し、わたしよりはるかに優れた人材に経営トップを委ねる時が来た」
こう語るのは、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)社長CEO(最高経営責任者)の吉田直樹氏。
PPIHは9月26日に開催予定の株主総会を経て、専務CSO(最高戦略責任者)の森屋秀樹氏が社長CEOに昇格する人事を発表。現社長の吉田氏は代表権のない取締役となる。
1977年9月生まれの森屋氏は47歳と、1964年生まれで60歳の吉田氏より一回り若い。2000年に中央大学商学部卒業後、同社に入社。新卒入社という点も、マッキンゼー出身の吉田氏とは異なる。
オペレーションマネジメント本部長、リスクマネジメント本部長、経営戦略本部長、ITサポート本部長など、様々な部署を経験したことが同氏の強み。
1989年に東京・府中市で『ドン・キホーテ』1号店を開業してから35年余。売上高2兆円を突破し、不況下に成長を果たしてきたのがPPIHだ。
成長のけん引役になったのは創業者・安田隆夫氏(現・創業会長兼最高顧問)の手腕によるところが大きい。安田氏の経営哲学は徹底した「顧客最優先主義」と「メイト(同社ではアルバイト・パート従業員をメイトと呼ぶ)最優先主義」。徹底的に現場へ権限移譲することで、現場のやる気を促し、魅力的な売り場づくりを進めてきた。それは今後の森屋体制でも求められる。
「これまで受け継がれてきた企業文化と経営理念を大切にし、一致団結して成長していく」と語る森屋氏。
栄枯盛衰の激しい流通業界にあって、同社の社風や伝統を守りつつ、将来的な成長戦略にどう生かしていくか。森屋氏の手腕が問われる。