インフラジスティックス・ジャパンは4月9日、日本国内の情報システム開発会社200社(有効回答件数)を対象に調査した「開発支援AIツール」の利用ランキングと動向を発表した。

「利用中の開発支援AIツール」ランキング

「利用中の開発支援AIツール」は、上からChatGPT (45.0%)、GitHub Copilot (39.0%)、Microsoft Copilot (22.0%)となり OpenAIのLLM基盤を活用したツールが上位を占めた。

下図のように、「プログラミングに特化したツール (水色)」「汎用的なAIツール(薄い水色)」が混在することから、「チャットを用いてコードヒントを得るAI活用」と「IDEと密に連携するAI活用」のどちらにも利用されているがわかる。

  • 利用しているプログラミング支援AIツール 引用:インフラジスティックス・ジャパン

AI活用における課題は?

システム開発・構築におけるAI活用の課題を尋ねたところ、最も多い回答は「AIが示すコードがGPL(GNU General Public License)違反などを招く恐れ」だった。

この回答が「AIに仕事を奪われる」という回答よりも多いことから、AI技術の導入によるシステム開発への真の障壁は雇用影響ではなく、知的財産権やライセンス違反などの法的リスクに関する懸念であることを示していると指摘している。

同社は調査のまとめとして、「AI利用に課題や障壁を感じる割合は少なく、日本国内の情報システム開発会社における開発支援AIツールの利用は活発であった。議論されていない潜在的な課題として、『AIが提案するコードがGPL違反を招くリスク』が懸念されていることも明らかになったが、開発全体を俯瞰し法的リスクを回避したAI活用が実現することで、ユーザー要件の変動、納期、テスト工程連携などを効率化できる可能性も同時に示唆された」との見解を示している。