商船三井と富士通は、共同で商船三井船員の配乗計画を最適化する"最適化AI配乗計画システム"の開発を3月12日に発表した。「多様性」「共走・共創」「働き甲斐」を基本原則に人財政策"Human Capital(HC)ビジョン"を策定する商船三井は、世界の輸送を担う責任を果たせるよう従業員育成に力を注いでいる。

船舶で働くには国家資格の三級海技士(航海・機関)が必要となる。航海学や船舶工学、海上法規や気象学と幅広い専門知識が必要となるが、同社では新入社員研修から2年間をかけて取得までサポートする自社養成コースを設置するなど、人財への投資はこれまでも重要な要素。そんな同社が、人財政策"Human Capital(HC)ビジョン"に則り、富士通と新たに取り組むのが船員配乗計画の最適化だ。

従来、配乗計画担当者が個別管理するデータベースから各船員の職位、保有資格、船の種類、乗船・休暇期間などの条件を組み合わせて計画を作成していたが、多数の要素を持つ複雑な処理に工数や時間を要していた。現在、開発の最終フェーズへの移行期にある最適化AI配乗計画システムは、入力情報から多数の計画案を作成し、高スコアの計画から船員別配乗計画、船舶配乗計画、KPI評価等を生成するもので、AIに知見のある富士通コンサルタントが数理最適化モデルを用いて開発している。

  • 最適化AI配乗計画システムのイメージ(同社資料より)

連続乗船期間の短縮化による船員の乗船・休暇平準化、結婚や出産など船員個人の休暇やイベントを反映したワークライフバランスに直結した配乗計画などニーズに合った配乗計画を作成でき、これまで数時間かかっていた作業の約7割の削減を見込んでいる。5月以降の業務適用に向けて両社は開発を進めている。

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