スカパーJSATとゼンリン、ID&E ホールディングス傘下の日本工営は、衛星データを用いて、斜面・地盤やインフラの経年変化を過去にさかのぼりモニタリングする法人・自治体向けサービス「LIANA」(リアーナ)の体験版を、3月6日から無償で提供開始した。
LIANAを使うことで、斜面・地盤やインフラの状況を把握でき、変化の早期発見や、効果判定、リスク評価、調査の効率化も行えるのが特徴。今回提供開始した体験版では、東京都と大阪府、宮城県周辺の一部エリアにおける地盤変動やインフラの概況を確認し、サービスの機能を実際に体験できる。今後は全国主要都市を対象に、体験版の閲覧可能エリアを順次拡大する予定としている。
体験版公開エリア
- 東京都、大阪府、宮城県周辺域(体験版は一部エリアのみ閲覧可能)
※今後は全国を対象に、主要都市や他地域の体験版を順次公開予定
体験版と有償版の仕様概要
- 体験版の利用登録から20日間、無償でサービスを利用可能
- 解析結果のダウンロード:体験版は不可・有償版は可能
- 利用期間:体験版は20日間・有償版は1年間(延長可能)
LIANAは、前出の3社が2020年に発表した「衛星防災情報サービス」のひとつで、斜面や地盤・インフラの変動をミリメートルからセンチメートル精度でモニタリングできるというもの。SAR画像解析ツールの開発に強みをもつスカパーJSATが解析を担当し、利用者が確認したいエリアの地盤変動を時系列で表示する。ゼンリンの詳細な地図データを実装しており、Webシステムには日本工営の知見に基づき、地盤変動の状況を視覚的に分かりやすく見える化するノウハウを含む。
LIANAの提供により、地方自治体やインフラ事業者、建設コンサルタントなどが、災害対策や老朽化したインフラの維持管理を、コストや人員の負担を軽減しながら効率的に行えるとアピール。さらに、予防保全の意思決定をサポートすることで、災害リスクや社会課題に対する不安を軽減し、安全・安心なまちづくりに寄与するとしている。