Google Cloudは2月27日、個人向け「Gemini Code Assist」のパブリックプレビューを発表した。同サービスは、同社が提供するAIコーディングアシスタントの無償版となる。
個人向け「Gemini Code Assist」の概要
最新の開発者向けの調査によると、開発者の75%以上が日常業務でAIを利用し、一例としてGoogleの新規コードの25%以上がAIで生成され、その後エンジニアがレビュー、承認しているという。
十分なリソースを持つ組織はエンジニアチームに最新のAI機能を提供している一方で、学生、趣味のプログラマー、フリーランサー、スタートアップが同じレベルのツールにアクセスすることは困難となっており、世界の開発者人口が2028年までに5780万人に成長すると予測されている状況で経済的な制約なく、誰もが将来の開発においてスタンダードなデジタルツールとして、AIを利用できるようにすべきだと指摘。
個人向けのGemini Code Assistは世界中で利用可能でGemini 2.0を基盤としており、パブリックドメインのすべてのプログラミング言語をサポートし、コーディング向けに最適化されているとのこと。
多くのコーディングユースケースを分析・検証することで、開発者向けにGemini 2.0モデルをファインチューニングした。結果として、Gemini Code AssistにおけるAIが生成したレコメンデーションの品質が向上し、趣味のプログラマーからスタートアップの開発者まで、日々直面する課題に対応することが可能だという。
一般的な無料コーディングアシスタントには、通常1カ月2000回のコード補完の使用制限があるが、Gemini Code Assistは実質無制限の容量、月に最大18万回のコード補完を可能としている。
質の高いコード記述の支援も行い、Gemini Code Assist for GitHub向けパブリックプレビューを通じて、開発者がコードレビューにかかる時間を短縮できるよう支援。同機能は、パブリックリポジトリとプライベートリポジトリの両方で、無料のAI駆動型コードレビューを提供するとのこと。
また、開発者は統合開発環境(IDE)でのコーディングに多くの時間を費やすことから、Gemini Code AssistはVisual Studio CodeやJetBrains IDEでも提供し、個人の開発者もエンタープライズ向けに提供してきたコード補完、生成、チャット機能を利用できるようになっている。
すでに、これらの機能はFirebaseやAndroid Studioで無料で利用可能だったが、ウィンドウの切り替えや、別々のソースから情報をコピー&ペーストすることなく、誰でも効率的に学習、コードスニペットの作成、デバッグ、既存のアプリケーションの修正ができるようになったという。
個人向けGemini Code Assistのトークンコンテキストウィンドウは、チャットで最大12万8000トークンの入力に対応し、開発者は大規模なファイルを使用してローカルコードベースについて、Gemini Code Assistを広範にグラウンディングすることができるとのことだ。さまざまな言語の自然言語を使用して、コードの生成、説明、改善を行うことを可能としている。
さらに、時間を要するコードレビューに関して、Gemini Code Assist for GitHubがスタイル上の問題やバグを検出し、自動的にコード変更や修正を提案。基本的なレビューをAIエージェントに任せることで、コードリポジトリのメンテナンスの質を向上させて開発者は複雑なタスクに集中できるようになるとしている。
開発チームごとに、異なるベストプラクティス、コーディング規約、好みのフレームワークやライブラリを持ち、Gemini Code Assist for GitHubはコードレビューのためのカスタムスタイルガイドをサポート。リポジトリ内の.gemini/styleguide.mdファイルに、コードレビューの際に従うべき指示を記述すると、Geminiがリポジトリのニーズに合わせたコードレビューを提供する。
利用に際しては、個人用Gmailアカウントがあれば登録でき、クレジットカードは不要。Visual Studio Code、GitHub、またはJetBrains IDEにGemini Code Assistをインストールして、利用が開始できる。