ベネッセコーポレーションは2月25日、3月3日に提供開始される新サービスである「難関合格 進研ゼミ√Route」の記者発表会および生成AIによる「対話型学習」の機能体験会を実施した。

今回実施された発表会には、ベネッセコーポレーション 家庭学習カンパニー 新モデル事業戦略本部 本部長の永見良介氏、BYODサービス開発部 相澤悠介氏とコンビで進研ゼミの元受講生であるナイチンゲールダンス(ヤス/中野なかるてぃん)が登壇。機能の体験デモンストレーションを行った。

  • 左からベネッセコーポレーション BYODサービス開発部 相澤悠介氏、ナイチンゲールダンス(中野なかるてぃん氏、ヤス氏)、ベネッセコーポレーション 家庭学習カンパニー 新モデル事業戦略本部 本部長 永見良介氏

進研ゼミ√Routeの特徴とは

今回、発表されたのは志望大学別演習とAIとの対話型学習がセットになった、大学受験向けデジタル学習サービスである「難関合格 進研ゼミ√Route 大学受験(「進研ゼミ√Route」)」。

同サービスのコンセプトは「対話で伸ばす デジタル予備校」で、志望大学別の演習カリキュラムの提供に加え、これまで学校や塾でしかできなかった「対話型学習」を、生成AIの活用により実現している。

価格はAI講師による対話型学習、高校3年分・7教科24科目の演習・解説が学び放題で、月額7980円となっている。

進研ゼミ√Routeが開発された背景

進研ゼミ√Routeが開発された背景について、永見氏は「大学入試の変化」「高校生の悩み」「家計負担」の3点を挙げた。

  • 進研ゼミ√Routeの企画背景について語る永見氏

    進研ゼミ√Routeの企画背景について語る永見氏

まず「大学入試の変化」については、近年の大学入試問題は高度な思考力が求められる難解な出題が増加しており、進研ゼミ√Routeの利用者の志望校となりうる難関大の入試ではその傾向が顕著になっているという。

さらに「高校生の悩み」については、受験勉強で大変だと感じることとして「教科数の多さ」「応用・難問対策」「時間のなさ」を挙げる学生が多く、部活を夏前まで続けながら難関大に向けた対策をするのは至難の業だという課題があったという。

  • 「大学受験勉強で大変だったことは?」(ベネッセ調べ 調査委託先:マクロミル)

    「大学受験勉強で大変だったことは?」(ベネッセ調べ 調査委託先:マクロミル)

「家計負担」については、塾・予備校の受講料も上がり、高校生家庭の家計負担が重くなっていることが考えられるという。また、大学入試において経済格差が起きているという。

このような3つの課題を踏まえ、ベネッセは高いハードルがある難関大受験であっても誰もが合格を目指せる学習法を進研ゼミ√Routeで提供することで受験生をサポートしていくという。

思考力を鍛える「AIセルフトークラーニング」{#ID3}

進研ゼミ√Routeでは、延べ1398万人の進研ゼミの高校生会員の合格指導ノウハウが詰まった教材データベースに加えて、AIを活用して学習者の理解度を判定しながら「AI講師」を通じて的確な思考力指導を提供する。

  • 「AI講師」のイメージ

    「AI講師」のイメージ

同サービスの特徴について永見氏は、「AI講師との対話を通じて思考力を鍛える『AIセルフトークラーニング』を搭載している」ことを挙げた。

AIセルフトークラーニングでは、合否を分ける重要な問題にAI講師が登場するだけでなく、AI講師から「どう考えて解いた?」「こういう条件の時はどう考える?」など、本質的な理解と応用力を問う質問を行う。

学習者は自分の考えを音声またはテキストで説明して回答することで、難関大レベルの難問攻略につながる思考力を鍛えることができる。

  • 進研ゼミ√Routeの画面イメージ

    進研ゼミ√Routeの画面イメージ

さらにもう1つ、カリキュラムは志望大学に特化した演習で合格へ導く「志望大別演習」といった特徴もある。志望大、文系・理系、エリア、学年などを登録すると個別化されたカリキュラムが提示されるほか、全国模試や定期テスト前には、短期で実力を高める逆算カリキュラムでの学習も可能となっている。

ナイチンゲールダンス「自分で説明する理解力が高まる」

発表会の最後にはコンビで進研ゼミの元受講生であるナイチンゲールダンスが登壇し、「AIセルフトークラーニング」の機能体験を行った。

ナイチンゲールダンスの中野なかるてぃん氏は、進研ゼミのみで一橋大学 法学部に合格した実績を持ち、今回の体験会では主に同氏が中心となって日本史の問題を解き進めた。

  • サービスの体験を行うナイチンゲールダンス

    サービスの体験を行うナイチンゲールダンス

サービスを体験したナイチンゲールダンスの2人は「問題の背景をAI講師が教えてくれたのが分かりやすかった」「口に出して自分で説明するのでより理解力が高まると感じた」と口々に進研ゼミ√Routeの利用のしやすさをアピールしていた。

なお、現在、開講している進研ゼミの「高校講座」は、新高校2年生の会員が高校を卒業する2027年3月末まで、サービスを継続する。2025年度の新高校1年生向けには、高校以降の学習として進研ゼミ√Routeを案内していくという。