KDDIは2月21日、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS)とWAKONX(ワコンクロス)における戦略的連携を開始することを発表した。この連携により、人手不足をはじめとする社会課題の解決に向けて日本の企業および各業界のデジタル化を促進するため、KDDIの通信ネットワーク技術、AWSのクラウド技術、および両社のAI技術を組み合わせて、WAKONXの業界別ソリューションを高度化する。

連係の第一弾として、物流業界をテーマとする「WAKONX Logistics」を強化する。KDDIはAWSとの連携強化により、AIやデジタルツイン技術を組み合わせてSaaS(Software as a Service)ソリューションとしての高度化やAWS Marketplaceを通じた販路拡大を目指す。

さらに、KDDIが持つauデータやデータクリーンルーム技術と、AWSが提供する広告・マーケティング業界向けテクノロジーやソリューションを融合し、企業間データコラボレーションによる新たなビジネスモデルの創出や、よりパーソナライズされた顧客体験の提供を目指すとのことだ。

  • 連携の概要図

    連携の概要図

連係の背景と業界課題

KDDIとAWSの両社はこれまでにも社会課題解決に向けた連携を深めてきており、社会の生産性向上や生成AIの社会実装に向け、企業・自治体やスタートアップを対象に競争力のある生成AIの開発と活用の支援を進めてきた。

しかし、国内では少子高齢化の影響で生産年齢人口が減少し、各業界共通の課題として人手不足が加速しており、生産性の向上が強く求められている。労働力不足以外にも業界ごとに固有の共通課題が生じていることから、生産性向上に向けてAIやクラウドを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されている。

一方で、AI活用に向けては自社システムへの最適な適用方法が分からない企業が多いことが課題とされ、DXに向けては初期導入コストや運用負荷により敷居が高いことが課題とされる。

WAKONX各テーマのサービス開発および技術支援

物流、小売、放送・メディアなど各業界の課題を解決するため、KDDIおよびKDDIグループ各社はAWSのクラウドサービスに関する最新技術やサービス開発支援を受けながら、各業界の専門知識を有するAWSのエンジニアと連携してWAKONXのソリューションを開発する。

AWSの販路活用

KDDIはAWSが提供するサービスを活用して、WAKONXのソリューションをSaaSとして提供することを目指す。AWS Marketplaceを経由してWAKONXのソリューションが利用可能になる予定。

これにより、中小企業のユーザーも利用しやすいサービス体系となり、デジタル化のスピードアップを支援するという。また、両社共同で顧客向けセミナーなどを通じた共同プロモーションを実施する。