全日本空輸(ANA)、日立製作所(日立)、京成電鉄、京浜急行電鉄の4社は2月18日、ANAが提供する「一括サポート手配」サービスと、日立が提供する「移動制約者ご案内業務支援サービス」を活用したUniversal MaaSの実証実験を開始すると発表した。

  • Universal MaaS の実証実験開始

    Universal MaaS の実証実験開始

Universal MaaSとは、鉄道、バス、航空機など複数の交通機関を一つのプラットフォーム上で統合し、利用者がスマートフォンなどのデバイスを通じて、経路検索、予約、決済までを一括して行えるサービスのこと。

今回の実証実験では、4社が連携し、各社の交通サービスを統合したプラットフォームを開発・提供する。具体的には、介助やサポートを必要とする人が、ANAの国内線や京成電鉄・京急電鉄の一部路線を利用する際に、「一括サポート手配」サービスを活用し、航空と鉄道のサポート依頼を一括で行う仕組みを検証する。

事前に同意を得たモニターが実際に交通機関を利用し、終了後にサービスの有用性を調査するヒアリングを実施。ANAは、サービスの一般公開を通じて新たな課題の抽出や業界横断的な業務改善効果を検証し、京成電鉄と京急電鉄は、事前情報の把握によるサービス向上や駅係員業務の効率化を検討する。日立は「移動制約者ご案内業務支援サービス」と「一括サポート手配」のデータ連携機能を実装し、その動作検証や鉄道事業者向けの試験提供を行う。

  • 実証実験の全体イメージ図

    実証実験の全体イメージ図

2025年2月現在、「一括サポート手配」から各事業者へ共有される情報は、既存業務で使用するものに限られる。事前手配が可能な経路は、ANAの国内線全路線(一部コードシェア便含む)、京成電鉄の成田空港駅(成田第1ターミナル)発、京急電鉄の羽田空港第1・第2ターミナル駅(第2ターミナル側)発であり、航空のみや鉄道のみのサポート依頼も可能である。鉄道事業者へは出発駅に情報を共有し、到着駅では通常の駅業務に基づいたサポートを実施する(ただし、到着駅が他社線の場合は対象外)。

実施期間は2月18日〜2月28日を事前手配の受付期間とし、手配対象期間は2月22日〜3月28日まで。移動日の1か月前から4日前の18時まで受付を行う。参加方法は、こちらのWebサイトでアカウント登録・ログインを行い、「新規旅程作成」をクリック後、実証実験であることに同意し、移動したい日時を選択し、経路検索を行い、利用したい経路を選択することで申し込みが完了する。