
旺盛なインバウンド消費をいかに取り込むかー。
「ビジネス特化型オンライン英会話サービスを提供することで、小売りやホテルなど、おもてなしのフレーズを学び、店舗などでの収入増につなげてもらう」
東証グロース上場のビズメイツはビジネス経験豊富な外国籍の人材を講師にオンラインでビジネス向けの英会話を学べる「Bizmates」を運営。ビックカメラや富士通など、累計1400社を超える幅広い企業に導入されており、業界大手だ。
「教材も導入企業に合わせてカスタマイズしている」。1日25分、時間帯が選べる上に、教室に通う必要もない。「ゴールは英語を話せる人を増やすことではなく、どれだけ世界で活躍できる人を増やせるか」。採用率1%以下の厳しい選考を通過したトレーナーとのレッスンを通じ、語学のみならず、リーダーシップなどのビジネスに必要なスキルも身につけられる。
一方でリアルにつなぐ架け橋となる役割も担う。外国籍のITエンジニアの転職エージェント「G Talent」やグローバルIT人材の採用マッチングサイト「GitTap」を通じてグローバルな人材と企業を結び付けている。
また、オンラインビジネス日本語「Zipan」では日本で働く外国籍人材が日本語をはじめ、日本のビジネスマナーや文化も学べる。
「現在、人工知能(AI)でレッスン音声を解析し、トレーナーの品質向上や受講生の課題点を可視化したり、自分に合うトレーナーとマッチングできる仕組みがある。今後もテクノロジーを活用し、さらなる品質向上を目指していく」と話す。
前職のベルリッツ・ジャパンで後に共同創業者となる伊藤日加氏(カナダ生まれ)と出会う。伊藤氏は教材開発を含むサービスの品質向上を担当し、鈴木氏は経営を担う。事業も思想も「多様性」を重んじる。
学生時代から経済本に親しみ、今でも「多角的な視点」を大切にしながら経営に取り組んでいる。