米ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は2月12日(現地時間)、新しいサーバ「HPE ProLiant Compute Gen12」の8機種を発表した。同サーバはセキュリティ機能や複雑なワークロードへのパフォーマンス最適化機能を備え、AIによる管理機能で生産性を向上し、データセンター/エッジ環境向けにインテル Xeon 6プロセッサを搭載している。

  • 「HPE ProLiant Compute Gen12」

    「HPE ProLiant Compute Gen12」

高度なセキュリティ機能

HPE ProLiant Compute Gen12ポートフォリオは、チップからクラウドにわたり、サーバのライフサイクルのレイヤとフェーズに保護機能が組み込まれている。HPE iLO 7(Integrated Lights Out)は、HPEが独自に設計したSecure Enclave(セキュアエンクレーブ)で強化された専用セキュリティプロセッサを実装し、同社において耐量子暗号に対応した初のサーバとして、高度な暗号化セキュリティ標準である「FIPS 140-3 Level 3」の認証要件を満たしているという。

ハードウェアに組み込まれたSecure Enclaveが、破壊不可能な信頼の連鎖(chain of trust)を確立してファームウェア攻撃から保護し、HPEの工場や信頼できるサプライチェーン全体にわたって完全な可視性(line-of-sight)を実現するほか、サーバの利用終了後は機器の回収から認定された施設への輸送、選別、リサイクルを「HPE Asset Upcycling Service」を利用することができる。

クラウドベースのソフトウェアプラットフォームである「HPE Compute Ops Management(COM)」は、サーバ環境のセキュリティ確保と自動化を実現することで、管理のための管理」から解放することに加え、障害の予兆検知と予防の自動化をAIによるインサイトによる強化で電力使用量の予測、コストやCO2排出量を管理するための閾値を世界中の機器で設定を可能とし、エネルギー効率の改善を支援するとこのこと。

また、新しいグローバルマップビューにより、分散したIT環境全体でサーバの動作状態をリアルタイムに特定できるため管理が簡素化され、サードパーティツールとの統合により、サーバ1台あたり年間最大4.8時間ダウンタイムが短縮されるという。

さらに、自動オンボーディングが行えるため、サーバのセットアップと継続的な管理が簡素化され、IT要員が出向くことのできない遠隔地や営業所、店舗、倉庫、工場などへの展開において、利便性があるとしている。なお、COMの新機能である、AIによるインサイト、マップビュー、サードパーティツール統合は、HPE ProLiant Compute Gen10サーバおよびそれ以降のバージョンで利用できる。

パフォーマンス性能

新サーバは、AIやデータアナリティクス、エッジコンピューティング、ハイブリッドクラウド、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)などの高負荷なワークロードを処理に適しており、パフォーマンス、エネルギー効率、コストの最適化を考慮して設計されている。

従来のエンタープライズシステムと比較してワットあたり最大41%優れたパフォーマンスとなり、年間最大65%の電力削減を実現するという。また、Gen12サーバ1台がGen10サーバ7台と同等のコンピュート性能のため、データセンターの省スペース化が図れるとしている。

HPE ProLiant Compute Gen12の1ソケットと2ソケットのラックサーバでは、直接液冷(DLC)オプションがあるほか、液体は空気よりも効率的に熱を除去することから体積ベースで3000倍以上の除熱効果があるとのこと。

「DL320」「DL340」「DL360」「DL380」「DL380」「ML35」の6機種は2025年3月に受注を開始し、「HPE Synergy 480」「DL580」の2機種は同夏から提供を開始。いずれのサーバもスタンドアロンまたはHPE GreenLakeを通じて導入でき、認定チャネルパートナーから購入できる。