アルバックは2月13日、リチウム金属を金属箔上に成膜できる巻取式(Roll to Roll)方式の真空蒸着装置「EWK-030」を開発し、2025年5月より販売を開始する予定だと発表した。
同装置は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトの成果の1つ。同社が長年培ってきたキャパシタ用フィルムなどに対する金属薄膜蒸着技術を応用することで、空環境下で金属箔上にリチウムを成膜することを可能としたものとなる。
蒸着によって形成された薄膜リチウムは、真空下で処理されるため不純物の混入や酸化を抑えることができ、従来の大気環境下でのロールプレス(圧延)技術によって形成されたリチウム箔よりも良好な膜表面を得ることができるとするほか、リチウムの材料使用効率を最大限に高める設計が採用されていることから、一般的な蒸着装置に比べてコストならびに環境面でも優位性を発揮できると同社では説明している。