
「AGIの実現を日本発で」
「オープンAIの戦略的パートナーとして『クリスタル』を企業向けに始めていく。1日でも早くAGI(汎用人工知能)、ASI(人工超知能)の世界に行けるように開発を進めていく」
ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏はこう語る。
ソフトバンクグループ(SBG)が米オープンAIと共同で、個々の企業専用にカスタマイズされた最先端AI(人工知能)『クリスタル・インテリジェンス』の開発・販売に乗り出す。また、両社が50%ずつを出資して合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立。企業の様々な業務のAI変革を促そうとしている。
孫氏は「AGIの実現は大企業から始まる。最先端のAIを世界で初めて、日本から始める」とした上で、「最近はなかなか日本発というのが出てこないが、世界中の人類が最も注目するAIにおいて、AGI獲得競争が日本から始まる」と強調した。
SBGとオープンAIは1月、米国でAI関連のインフラ整備に4年間で5000億ドル(約78兆円)を投じる計画を発表したばかり。孫氏はオープンAIとのタッグで、AIの開発競争を優位に進めようとしている。
1月20日のトランプ大統領の就任式には、テスラ創業者のイーロン・マスク氏をはじめ、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏やメタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏などが出席。
前大統領のバイデン氏が「テック産業複合体が脅威をもたらす可能性がある」と懸念したように、米テック大手トップの"すり寄り"ともいえる動きについて、市場では、「経営の妨害を受けたくないため、トランプ氏にすり寄っているのではないか」との声も出ている。
各社の様々な思惑が絡みながら、AIの開発競争が続く。