サイボウズは1月30日、国内企業のDX人材育成に関する調査結果をもとに、DX人材の理想像と、その育成に向けて企業が取るべき施策を提案するレポート「間違いだらけのDX人材育成 ~企業変革に資する人材の行動変容と組織能力の向上に向けて~」を無償公開した。

  • 研修受講後に求められるアクション(出典:ITR「DX人材育成実態調査」2024年10月調査)

    研修受講後に求められるアクション(出典:ITR「DX人材育成実態調査」2024年10月調査)

このレポートでは、アイ・ティ・アール(ITR)が2024年10月に実施した「企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)人材育成実態調査」の分析結果をもとに、サイボウズがデジタル時代に求められるDX人材像と企業が取るべき育成方策を提言している。

多くの企業がDX人材育成に取り組み、従業員向けの教育・研修を実施しているものの、必ずしも成果につながっていないのが現状だ。成功している企業の取り組みを分析した結果、全従業員を対象とし、知識やスキルの習得にとどまらず、各自が主体的に学び、業務で活かす行動変容を促すことが重要であることが明らかになった。

調査では、研修実施後の取り組みとして、「受講後に期待される職場でのアクションの明確化」、「学んだ内容を実践できるIT環境の整備」、「学びの実践機会の提供」などが、成果に大きく影響することが示された。

DX推進には「ローコード/ノーコードを多くの人が利用できるようにすること」が最も効果的であり、従業員のDXへの主体的な取り組みやデジタル技術の活用能力の向上につながることがわかった。また、社外との連携を促進する場やコミュニティの提供も、DX研修の成果を高める重要な要素として挙げられた。

  • 環境整備の状況がDX研修・実習の成果を左右する(出典:ITR「DX人材育成実態調査」2024年10月調査)

    環境整備の状況がDX研修・実習の成果を左右する(出典:ITR「DX人材育成実態調査」2024年10月調査)

今回の調査から、DXを定着させるには、全従業員が自分事として取り組める環境を整え、DX人材育成の成果を高めることが重要であると明らかになった。研修や実習だけでなく、従業員が自発的に学び、それを業務に活かすような行動変容が大きく影響するとサイボウズは指摘。この行動変容を促進するためには、学びを業務に活かす機会の提供や、ローコード/ノーコードなどのITツールの整備が必要だとしている。