日立製作所(日立)と塩野義製薬は1月22日、データと生成AIなどを活用した革新的な医薬品・ヘルスケア業界向けサービス創出に向け、業務提携に関する基本合意書を締結したことを発表した。
医薬品・ヘルスケア業界は、高齢化による医療費増大や労働力不足、薬価制度改定など複合的な課題に直面しており、また、企業においては従業員の健康経営の推進と労働生産性向上の両立が求められている。一方、生成AIやデータサイエンスの進化により、業務効率化やデータ活用が広がり、業界横断的な価値創出が期待されている。
塩野義製薬はデータ活用とデジタル技術を推進し、2030年までに「HaaS企業」への変革を目指しています。日立は医薬・ヘルスケア分野の実績とDXノウハウを活かし、生成AIを用いたイノベーション創出に注力している。両社は2021年から戦略的パートナーシップを展開しており、先進技術を活用した革新を目指し、業務提携に関する基本合意書を締結した。
今回の提携では、オープンイノベーションを通じて新たなDXサービスを開発し、医薬品・ヘルスケア業界向けに提供することをめざす。具体的には、デジタル技術と専門知識を活用し、「医薬品・ヘルスケア業界におけるマスターデータマネジメント(MDM)の高度化と普及」、「生成AIを活用した医薬品・ヘルスケア企業の業務効率化」、「ヘルスデータを活用した健康経営やサステナブル経営を支援するサービスの開発」を推進し、2025年度中に一部サービス提供をめざす。
具体的には、「マスターデータ管理の高度化と普及」では、データの一貫性確保が課題の業界で、日立の技術と塩野義製薬の知識を融合し、革新的なMDMシステムを構築。得られたノウハウを業界全体に展開する。「生成AIによる業務効率化」では、AI技術を活用し、創薬や業務プロセスの効率化・自動化を推進。これにより製品開発の迅速化と運用効率の向上を図る。また、「ヘルスデータ活用による健康経営とサステナブル経営の支援」として、健康データを活用し、従業員の健康促進や職場環境改善を実現。国内で新たな健康経営サービスを展開し、持続可能な経営モデルを確立するとしている。