富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は1月20日、中堅・中小企業向けクラウドサービス「FUJIFILM IWpro(フジフイルム アイダブリュ プロ)」の新機能として、クラウド型データ分析サービス「FUJIFILM IWpro Intelligent Assistantオプション」の提供を開始することを発表した。
「FUJIFILM IWpro」は、クラウド上のワークスペースに業務に必要な情報やデータ化・確認・加工・出力・送信といった一連の業務を集約して、既存システムとつなぐことで協働を実現するサービス。
今回同サービスの新機能として提供する「FUJIFILM IWpro Intelligent Assistantオプション」は、社内に蓄積した業務データを使って自社の業務に最適化されたAIモデルを作成し活用できる。AI作成時のAIモデル作成工程を自動化し、「FUJIFILM IWpro」のワークスペースとシームレスに連携することでAIを活用した業務の効率化と迅速な意思決定が図れるという。
FUJIFILM IWpro Intelligent Assistantオプションの機能について
一般的に、AIモデルの作成にはデータ分析など高度な技術が必要とされる。「FUJIFILM IWpro Intelligent Assistantオプション」は、データをAIが分析しやすい形式に整理する「データクレンジング」、AIの精度を高めるために重要な情報を抽出する「特徴量生成」、ユーザーの業務に適した「AIアルゴリズム開発」、開発したAIの「性能検証」となど、一連の工程を自動で行う機能を提供する。
これにより、AI開発に関する専門知識を持たなくても、社内に蓄積された業務データをアップロードするだけで、ユーザーの業務に最適化された高度なAIモデルを作成できるようになる。また、作成したAIモデルに新たな業務データを入力して推論させることで、AIモデルによる分類やデータマッチングの結果を用いた意思決定を行えるようになり、業務効率化が見込めるという。
第一弾で3つの分析タイプを提供開始
今回は第一弾として、「分類」「データマッチング」「入金請求突合」の3つの分析タイプのAIモデルを提供する。モデルは今後順次追加予定。
「分類」の活用例としては、コールセンターの問い合わせ対応業務などにおいて、過去の問い合わせ内容に基づいたAIモデルを作成する。このAIモデルは問い合わせを適切なカテゴリーに分類し、対応部門や担当者に自動で振り分ける。
「データマッチング」では、営業事務業務を例にすると、顧客からの注文書に記載される商品名称と、社内の受発注システムに登録されている商品名称との間で発生している表記揺れパターンを学習させたAIモデルを作成することで、効率的なマッチング作業が行えるようになる。
「入金請求突合」では、経理業務などを対象に、省略された企業名や同一企業での口座違いなどを過去の照合パターンを学習させたAIモデルを作成することで、最適な消込候補が提示できるようになり、入金と請求の照合や照会が迅速かつ正確に可能となる。