Microsoft専門のニュースサイト「Windows Latest」は1月13日(現地時間)、「Microsoft Edge could soon load PDF faster on Windows 11, especially low-end PCs」において、Microsoft Edgeに搭載されたPDFリーダーが廉価なコンピューター向けに高速化される可能性があると伝えた。
新しいPDFリーダー
Microsoftは2023年2月にAdobeと協力して、Acrobat PDFテクノロジーをMicrosoft Edgeに導入すると発表(参考:「Adobe and Microsoft Bring Industry-Leading Acrobat PDF Experience to 1.4 Billion Windows Users through Microsoft Edge - Microsoft Edge Blog」)。段階的な導入が進められており、機能を確認できないユーザーも「NewPDFReaderEnabled」ポリシーまたは「edge://flags/#edge-new-pdf-viewer」フラグから機能を有効化して試せる。
Windows Latestによると、Edgeに搭載された従来のPDFエンジンはリソースの少ない廉価なコンピュータで十分な応答性能を示すことができず、しばらく白紙を表示することがあるという。同じ環境においてGoogle ChromeのPDFエンジンには十分な応答性能があり、Microsoftはこのパフォーマンスの差をAdobeの協力を得て改善したかったのではないかと推測されている。
また、「msPdfOpenOnLowCoreDeviceWithDcPdfEnabled」というフラグが発見されており、Windows Latestは「DcPdf」が「Adobe Acrobat DC」を指している可能性があると指摘している。この推測が正しければ、この機能により廉価なコンピュータ環境において応答性能の改善が見込めるという。
今後の予定
Microsoftは2025年半ばに、Edgeから従来のPDFエンジンを削除する予定だ(参考:「Microsoft Edge and Adobe partner to improve the PDF experience」)。削除後は、Adobe Acrobat PDFエンジンが標準となる。
Adobe Acrobat PDFエンジンを搭載した新しいPDFリーダーは、従来と比較して色とグラフィックス再現度の向上、パフォーマンスの向上、 強力なセキュリティ、テキスト選択の改善や読み上げナレーションなどのアクセシビリティーの向上などが見込まれている。
Adobe Acrobat PDFエンジンが有効化されると、ドキュメント表示時にウィンドウ右下にAdobeブランドマークが表示されるようになる。このマークはエンジンの動作を示すだけで、印刷などには影響しない。
発表から2年が経過しようとしている。当初の予定よりも遅れたが、この取り組みによりEdgeのPDFリーダーが大幅に改善され、ユーザーエクスペリエンスが向上すると期待されている。