ESETはこのほど、「Security-Fiasko? 32 Millionen Computer in Deutschland laufen noch mit Windows 10|ESET」において、Windows 10を含む古いWindowsからWindows 11へのアップグレードの必要性を訴えた。
約10年前にリリースされたWindows 10は2025年10月14日にサポート期限を迎える。ESETはその日を最後に重大なセキュリティリスクを抱えることになるとして、余裕のあるアップグレード計画を推進するように推奨している。
Windows 10がシェアトップを維持
ESETによると、ドイツでは約3,200万台のコンピューターが依然としてWindows 10を使用しているという。これはドイツ国内のコンピュータの約65%に相当する。対するWindows 11は約1,650万台(約33%)動作しており、Windows 10の約半数にとどまっている。
この数値はStatCounterの統計からも裏付けられている。2024年12月の時点で、全世界のWindowsバージョン別のシェアはWindows 10が約62.7%、Windows 11が約34.12%とされる。
Windows 10移行時よりも状況は深刻
ESETのITセキュリティ専門家Thorsten Urbanski氏はこの状況について次のように述べている。
2020年初めにWindows 7のサポートが終了した時よりも危険な状況です。2019年末にWindows 7を使用していたユーザーは20%程度に過ぎず、70%以上はすでに新しいWindows 10を使用していた。現状は非常に危険です。サイバー犯罪者はこの数字を熟知しており、サポート終了日をただ待っています。
そして次のようにも述べ、速やかなWindows 11への移行を強く推奨している。
2025年のセキュリティ大失敗が目前に迫っています。われわれはすべてのユーザーに対し、10月まで待つのではなく、すぐにWindows 11にアップグレードするか、アップグレードできない場合は別のオペレーティングシステムに移行することを強く推奨します。そうしなければ、ユーザーは重大なセキュリティリスクにさらされ、危険なサイバー攻撃やデータ消失の危険にさらされることになります。
ESETのススメ
ESETはアップグレード時に困難に直面する可能性があると認めつつ、それでも最新バージョンのWindowsにアップグレードすることを強く推奨している。トラステッドプラットフォームモジュール(TPM: Trusted Platform Module)など、「Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft」を満たさないデバイスについては、Linuxなど他のオペレーティングシステムに移行することを推奨している。
Microsoftはアップグレードが難しいユーザー向けに「Windows 10用の拡張セキュリティ更新 (ESU) プログラム | Microsoft Learn」の提供を発表している。個人向けは初年30ドル(2年目以降の扱いは不明)、企業向けは初年61ドルで、2年目以降価格が倍々に増える設定となっている。
しかしながら、拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムは最終手段と位置づけられており、他に手段がない場合の救済処置となる。そのため推奨はされておらず価格も安くないことから、採用したとしてもできる限り早くWindows 11へアップグレードすることが望まれている。