キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は12月26日、リース事業協会が運用を開始する「建設機械の所有権にかかるリース業界共通データベース(建機DB)」を構築し、その運用を支援することを発表した。

  • 「建設機械の所有権にかかるリース業界共通データベース(建機DB)」の利用イメージ

    「建設機械の所有権にかかるリース業界共通データベース(建機DB)」の利用イメージ

取り組みの背景

建設機械は高額な初期投資が必要であり、リースで調達するケースも多く、また中古でも資産価値が高いため、中古物件のリース取引も行われている。

一方で、建設機械のリース取引における取引関係者が、一つの建設機械を複数のリース会社に売却してリース会社から売買代金を詐取する「多重リース取引」が行われ、リース会社に被害が生じる事案が生じている。

加えて、建設機械の所有権を証明する書類を偽造するという悪質な事案も発生しており、リース会社では「多重リース取引」が大きな課題となっている。

このような行為は、リース業界および関係業界の持続可能な経済活動を阻害することに加えて、マネー・ロンダリング(犯罪収益の資金洗浄など)につながるリスクがある。

そこで建機DBを運用することで、リース会社間で建設機械の所有権などに関する情報を共有することが可能となり、「多重リース取引」を未然に防止する効果が期待される。

建機DBの特徴と効果

建機DBは、リース事業協会の会員リース会社が所有(所有権留保)している建設機械の情報を集約し、これを必要に応じて会員リース会社が参照できるようにする一つの統合データベース。

建設機械のリース契約を締結する前に、建機DBで建設機械のデータを閲覧する業務フローを徹底することで、多重リースなどを未然に防止できる。

建機DBを構築/運用することで、多重リースなどを企てる事業者に対する、強力な抑止力とすることができる。

今後、キヤノンITSは、顧客と共に考え、共にビジネスを創り出す会社を目指す「共想共創カンパニー」をスローガンに、2025年に向けた長期ビジョンの実現に向けて取り組んでいきたい考え。

そして今回のリース事業協会との取り組みを継続するとともに、建設機械に関する多重リース取引以外の課題にも着目し、リース業界全体における課題解決を支援する取り組みを進めていきたい構え。