Bleeping Computerは12月25日(米国時間)、「Five lesser known Task Manager features in Windows 11」において、Windows 11のタスクマネージャーの意外と知られていない便利機能を解説した。
意外と知られていない便利な機能
Windowsのタスクマネージャーはリアルタイムのシステム情報を表示し、これらを管理する機能を提供する。Windows 11からはわかりやすいグラフ表示を採用するなど、従来よりもユーザーエクスペリエンスを重視した設計となっている。
Windows 11のタスクマネージャーに標準搭載されていながら、意外と知られていない便利機能として、次の5つが紹介されている。
ライブカーネルメモリダンプ
タスクマネージャーには各プロセスのメモリダンプを生成する機能がある。その中でも、システム(System)プロセスに限り、ライブカーネルメモリダンプ機能が提供されている。
カーネルはオペレーティングシステムの中枢をなすソフトウェア。カーネルに不具合が発生するとシステム全体に回復不可能な機能不全を起こすことがある。ブルースクリーン(BSoD: Blue Screen of Death)表示がまさにその状態で、強制再起動を余儀なくされる。
ブルースクリーンには至らないが、動作不良に陥ることもある。そのような場合に、ライブカーネルメモリダンプの出番となる。ライブカーネルメモリダンプファイルの分析には専門的な知識が必要となるため、通常はMicrosoftサポートチームの要請を受けて作成および提供することになる。
追加情報としてBleeping ComputerはChatGPTによる分析が可能としている。しかしながら、ライブカーネルメモリダンプには機密情報が含まれている可能性があり、むやみに作成および開示しないことが推奨される。
タスクマネージャーの一時停止
Windowsに限った話ではないが、アプリを使用していると突然無反応になったり、異常な動作に遭遇することがある。誰しも1度は経験したことがあると思うが、そのような場合、Windowsではタスクマネージャーからアプリを選択してタスクを強制終了する。
しかしながら、タスクマネージャーはデフォルトで1秒ごとに情報を更新しており、狙ったアプリを選択することは容易ではない。このようなときにCtrlキーの出番となる。タスクマネージャーはCtrlキーを押し続けている間、更新を一時的に停止する。
その状態でプロセスを選択し、ポップアップメニューを表示できるため、簡単にプロセスを強制終了することができる。なお、F5キーを押し続けると、更新速度を上げることができる。
効率モード
長時間起動するが頻繁に使用しないアプリの消費電力を下げるため、Windows 11では「効率モード」が提供されている。設定はタスクマネージャーから行うことができ、プロセス一覧から目的のアプリを右クリックし、メニューから「効率モード」を選択するだけで消費電力を削減できる。
効率モードを設定したアプリは、「状態」に緑の葉のアイコンが表示される。初めから効率モードで起動するプロセスも存在するが、パフォーマンスに問題がある場合は解除できる。
スタートアップアプリ
タスクマネージャーの「スタートアップ アプリ」は、その名のとおり、システム起動時に自動的に実行されるスタートアップアプリを管理する。左側のナビゲーションから「スタートアップ アプリ」を選択すると、右側に一覧が表示される。
「状態」が「有効」に設定されているアプリが、システム起動時に自動的に実行されるアプリとなる。一覧には起動時の負荷も表示されており、起動を高速化したい場合、負荷が「高」になっているアプリを無効化することで改善する可能性がある。
無効化されたアプリは当然ながら起動されないため、必要に応じて手動で起動する必要がある。なお、セキュリティソリューションは自動アップデートなどに影響する可能性があり、無効化は推奨されない。
アプリの履歴
タスクマネージャーの「アプリの履歴」は、前回の完全シャットダウン以降、アプリが消費したCPU時間とネットワーク通信量の統計を表示する。見過ごされがちな機能だが、システムの動作を重くしているプロセスを発見することができる。マルウェアの感染が疑われる場合は、ここから未知のプロセスや、異常にリソース消費の多いプロセスを特定できる可能性がある。
タスクマネージャーは必要だが積極的には使用しないアプリの代表格。「タスクの終了」専用アプリとなりがちなタスクマネージャーだが、他にもさまざまな機能があり、有効に活用することが望まれている。