NECは12月25日、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、メディアアーティストの落合陽一氏がプロデュースするシグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」に、分散型ID技術(DID)と生体認証技術を組み合わせた「検証可能な資格証明(VC)」を活用し、確実な本人性を担保するDID/VCソリューション「NEC Digital Identity VCs Connect」を提供することを発表した。
null2が作成する「デジタルヒューマン」について
null2は、鏡をモチーフにしたパビリオンで、デジタルの鏡として来場者のデジタルヒューマンを映し出すことを目的としているもの。
落合氏は、近い将来、人類が自身のデジタルヒューマンを持つ世界が訪れると考えており、これらのデジタルヒューマンは、AIやネットワークインフラを活用して自律的に活動することが可能。
null2では、生成AIや3Dスキャン技術を使って来場者がデジタルヒューマンを作成し、それを通じてデジタルネイチャーを実際に体験することが可能となっている。
生体認証技術を活用したDID/VCを提供
NECは、null2に対し、生体認証技術を活用したDID/VCソリューション「NEC Digital Identity VCs Connect」を提供する。これは、落合氏が目指す自律的に活動するデジタルヒューマンの実現を支援するもの。
同技術は、来館者の顔画像をもとにオンラインでその真正性を検証するためのAPIとWebアプリを組み合わせVCを発行する。顔認証技術を用いることで、社会活動に対応可能なデジタルヒューマンを構築し、安全に利用できる基盤を提供。この技術は来館者が自己のデジタル情報を自己主権的に管理することを可能にするという。
NECがnull2に提供する技術の特徴
NECがnull2に提供する技術の特徴は「顔認証技術を活用したVC」「自己主権型アイデンティティのデータ利用体験を提供」「シームレスなユーザー体験を実現」の3点。
顔認証技術を活用したVC
NECは、顔認証技術を使いデジタルの世界で高い信頼性とセキュリティを実現する。null2では、来館者のデジタルIDを安全に管理し、改ざんできない形でスマートデバイスのWalletに格納。これにより、なりすましなどの不正を防ぎパビリオン体験の向上を支援する。
自己主権型アイデンティティのデータ利用体験を提供
NECのDID/VCソリューションを活用することで、来館者はデジタル情報を自らの意志で管理する「自己主権型アイデンティティ」を体験できる。これにより、個人情報を含む自身のデータを他者に依存せず自分で管理できる環境を提供する。
シームレスなユーザー体験を実現
デジタルヒューマンを作成するアプリケーションである「Mirrored Body」は、ユーザーインタフェースが直感的にデザインされており、来館者は複雑な操作を必要とせずに、顔情報を含むデジタルIDの登録や利用を行うことが可能。デジタルヒューマンが普及する未来を見据えた操作性の高いUI/UXを提供する。