Bleeping Computerは12月20日(米国時間)、「Google Chrome uses AI to analyze pages in new scam detection feature」において、Google Chromeに新しく「AIによる詐欺検出機能」が搭載される見込みと伝えた。
AIによる詐欺検出機能とは
これは開発者向けビルドの「Chrome Canary」から発見された新機能で、設定では次のとおり説明されている。
Client Side Detection Brand and Intent for Scam Detection - Enables on device LLM output on pages to inquire for brand and intent of the page(詐欺検出のためのクライアント側におけるブランドと意図検出 - ページのブランドと意図を問い合わせるために、ページのLLM出力を有効にする。)
これ以上の説明がないため、ここからは推測となるが、この新機能はサポート詐欺などの悪意のあるWebサイトをその内容から推定し、ユーザーに警告する機能とみられる。動作としてはWebコンテンツを大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)に送信し、Webコンテンツが主張するブランドと内容から詐欺の可能性を判定、悪意があると評価された場合に警告するものと推測される。
この新機能はテスト段階にあり、リリース時期は未定。詳細についても公式発表はなく、進捗次第では内容を変更される可能性もある。
検出対象となる詐欺
Bleeping Computerによると、Googleは検出対象として悪意のある「Webサイト」「ダウンロード」「拡張機能」を挙げており、これらに対するリアルタイム保護を提供する予定という。悪意のあるWebサイトの詳細は不明だが、フィッシング詐欺、サポート詐欺、正規サイトを装ったWebサイトなどを検出するものと推測される。
古くからみられるサポート詐欺は最近でも確認されている(参考:「久しぶりの年賀状印刷で被害? プリンタのサポート詐欺に警戒を | TECH+(テックプラス)」)。この新機能が効果を発揮すれば、このような被害は大幅に軽減できる可能性がある。特にコンピュータやWebシステムに明るくないユーザーには大きな安心材料になると考えられ、Googleのこの取り組みに注目しておきたい。