生成AIが今後1年で発揮できる可能性については、依然として楽観的な見方が広がっている一方で、ITリーダーはビジネスリーダーや取締役会から生成AIに対する投資が具体的なインパクトをもたらしていることを証明するよう、より強いプレッシャーがかかるでしょう。
前編では、ビジネスとITチームの観点から生成AIとクラウの市場予測について論じました。後編となる今回は、2025年に向けて企業が検討すべき新しいテクノロジーに関する4つの予測を紹介します。
(1)AI世代を巡る誇大宣伝は衰退し、企業はAIに対して現実的なアプローチをとるようになる
2025年には、AIを活用する企業に2つの異なるタイプが現れると考えられます。1つ目は、生成AIのユースケースに成功し、そのメリットを享受している企業です。
マッキンゼーによると、65%の組織が生成AIの定期的に利用しており、HRのコスト削減やサプライチェーン管理での収益増加といった有意義な成果を得ています。例えば、金融サービス業界では、生成AIの早期導入が進み、多くの銀行が不正検出においてルールベースからモデルベースのシステムに移行するという業界全体への大きなシフトが見られます。
生成AIの真の価値は、スケールで知識と洞察を得ることにあります。したがって、最も恩恵を受けやすいのは、実用的な洞察を得るために利用できる信頼性の高いデータを大量に保有している業界の企業です。
一方、2つ目のタイプの企業は、伝統的に大規模なデータベースを持たないため生成AIの恩恵をそれほど受けられず、効率と生産性の向上ために従来のAIや決定論的な機械学習モデルに依存することになるでしょう。最終的には、企業は生成AIの誇大な期待や華やかさに振り回されるのをやめ、代わりに、テクノロジー投資のロードマップを組織全体の目標としっかりと結びつけることに注力していくと予想されます。