筑波技術大学と電通、電通総研、ミツエーリンクスは12月11日、障がいのある人をはじめとする、従来のデザインプロセスからは除外されることが多かった人々に参画してもらいながら、新しいプロダクトやビジネス価値をつくる手法「インクルーシブデザイン」をテーマにした、共同研究プロジェクトを同日より開始することを発表した。
国内で唯一の聴覚障がい者・視覚障がい者のための大学である筑波技術大学と、国内電通グループ3社が連携し、社会のインクルージョン促進に向けた研究を進め、誰もが利用しやすい製品づくり、生活しやすい環境づくりを目指す。
また、共同研究をもとに、協力企業との具体的なプロジェクトを通じて当事者視点を踏まえた事業開発や課題解決を支援し、よりインクルーシブな社会の実現に向けた活動に取り組む。
共同研究の概要
筑波技術大学と国内電通グループ3社は、市場のニーズに応えるため、それぞれの強みを生かし、インクルーシブな思想を取り入れた企業の事業・サービス開発や課題解決に取り組むべく、共同研究を開始する。
筑波技術大学では、視覚や聴覚に障がいのある学生が情報科学やデザイン学などを学んでおり、障がい者とのより良いコミュニケーションを促進するための研修や、ユニバーサルデザインに関する研修を実施するなど、企業との取り組み実績も豊富。
また、卒業生も、多数の企業において開発者やデザイナーなどとして、障がい者のアクセシビリティ(誰もがそこにある情報や価値にアクセスできること)の視点を生かしながら活躍している。
共同研究では、当事者ならではの発想を生かして企業の具体的な事業課題・企業課題について考えていく。例えば、製品企画や人事施策、空間デザイン、サービスデザインなど、企業の課題やニーズに応じて大学とともにチームを組成し対応する。
今後の展望
電通はプロジェクト全体の統括・推進と価値創造を担い、また、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援してきた電通総研が、システムやサービスの実装、テクノロジー面を支援する。
アクセシビリティに知見があるミツエ―リンクスは、デジタル施策におけるアクセシビリティ観点での改善を担当し、それぞれが連携しながら実績を積み重ねていく。