コンピューティング専門誌の「XDA」は12月2日(カナダ時間)、「Microsoft sends a warning to anyone using Windows 11 on incompatible hardware」において、MicrosoftがWindows 11の最小システム要件を満たさないデバイスに免責事項を追加したと報じた。
最小システム要件を満たさないデバイスでWindows 11を実行しているユーザーは、板挟みになる可能性があると注意を呼びかけている。
新しく追加された免責事項とは
新しく追加された免責事項は、Windwos 11の最小システム要件を満たさないデバイスに関する注意点を示したMicrosoftのサポートサイト「Installing Windows 11 on devices that don't meet minimum system requirements - Microsoft Support」に掲載された。内容は次のとおり。
このPCは、Windows 11を実行するための最小システム要件を満たしていません。これらの要件は、より信頼性が高く、より高品質のエクスペリエンスを保証するのに役立ちます。このPCにWindows 11をインストールすることはお勧めできません。互換性の問題が発生する可能性があります。Windows 11のインストールを続行すると、PCはサポートされなくなり、更新プログラムを受け取る資格がなくなります。互換性の欠如によるPCの損傷は、製造元の保証の対象外です。[同意する]を選択すると、この声明を読んで理解したことを認めることになります。
Microsoftは要件を満たさないデバイスに対するサポートおよび更新プログラムの提供を行わない可能性があること、そして保証しないことを明文化している。同サポートサイトでは問題の発生したユーザーにWindows 10へのダウングレードを推奨しており、今後要件を満たさないユーザーはWindows 10へのダウングレードを余儀なくされる可能性がある。
しかしながら、Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了する。つまり、Microsoftは要件を満たさないデバイスを2025年10月14日までに買い替えるよう要求したと捉えることができる。
最小システム要件の必要性
Windows 11の最小システム要件は「Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft」から確認できる。これら要件はそれほど高いものではないが、Windows 11発表当初はトラステッドプラットフォームモジュール(TPM: Trusted Platform Module)バージョン2.0を搭載していないデバイスが多く、多くの波紋を呼ぶことになった。
TPM 2.0は高度なハードウェアセキュリティモジュールで、今後のコンピューターセキュリティにおいて重要な役割を担うモジュールとされる。パスワードを必要としないパスキーなどの新しい認証方式は同様のモジュールを必要とし、Windows Helloもモジュールの存在を前提にした実装となる可能性がある。
サイバー攻撃が深刻化する現在、ユーザー保護にTPM 2.0を必須とするMicrosoftの対応を一方的に非難することはできない。しかしながら、コンピュータは気軽に買い替えられるものではなく、快適に利用できている多くのユーザーからは反発の声が上がっている。それでも今から別の解決策が提示される可能性は低く、影響を受けるユーザーにはデバイスの買い替えについて検討することが望まれている。