「ChatGPT」のOpenAIが、広告の導入を検討しているという。営利企業に向けて収入の多角化を図ることが狙いのようだ。インタビューに応じたOpenAI CFO(最高財務責任者)のSarah Friar氏が述べたという。

既存のビジネスモデルの中に大きなチャンス

OpenAIの現在のビジネスモデルは、企業向けのライセンスとChatGPTの有料プランがある。Friar氏はインタビューで、広告モデルを検討中であり「広告導入のタイミングと方法については慎重に検討する必要がある」と述べたという。

なお、インタビュー後にFriar氏は「われわれは現在のビジネスで急成長を遂げており、既存のビジネスモデルの中に大きなチャンスがあると考えている。将来的には他の収益源を模索する可能性はあるが、広告を追求していく積極的な計画はない」との声明文を出したという。

そのための人材も準備を進めている。記事では、元Google検索広告チームリーダーのShivakumar Venkataraman氏を副社長として迎え入れるなど、Meta、Google(米Alphabet)などから広告関連の人材を採用しているとのことだ。

OpenAIの年間売上は現在、約40億ドルに達していると見込まれている。週間アクティブユーザーは2億5000人にのぼる。しかし、AIモデルの開発やサービスの提供には大きなコストがかかっており、年間50億ドル以上との予想もあるという。

OpenAIは10月に66億ドル規模の資金調達を行なっており、その際の評価額は1500億ドルと言われている。一連のインタビューは、Financial Timesが12月2日付で報じている。

その一方で、先日にはイーロン・マスク氏がOpenAIの共同創設者らを相手取り、反競争的行為の差し止めを求める仮処分をカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に申請している。