伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)トラスト・デジタルID基盤研究開発センターは11月28日、学術機関におけるデジタル資格証明の標準化に向けた共同研究を開始したことを発表した。
取り組みの概要
現在、学術機関が発行する資格証明は多岐にわたり、技術やガバナンスに関する標準化が課題となる中で、NIIおよびCTCは従来NIIを中心に進めてきた学術認証フェデレーション(学認)の運用経験や、これまでCTCが取り組んできた資格証明のデジタル化の検討内容をふまえ、国内外における学位・学修歴・学生証などの資格証明のデジタル化に向けた標準化の検討を行う。
NIIは本研究の結果をふまえ、学認のルールの改定や技術仕様への反映を担い、CTCは国際的な標準技術の適用に関する検討ならびに実証プロジェクトの推進を行う。共同研究の期間は2024年10月~2026年3月まで。
研究の概要
今回の研究は、学術機関が発行する各種資格証明を安全に相互運用するために必要なガバナンスや技術仕様の標準化の策定に向けた取り組みを進めるもの。
具体的には、学認のトラストフレームワークを参考に、発行機関である各学術機関が資格情報を発行する際に付与する各機関のデジタル署名、各機関がトラストフレームワークにより認定されている機関であることを証明する認定機関のデジタル署名のそれぞれについて、受け取り側の機関が検証可能なアーキテクチャの検討を行う。また、各資格証明の採用する技術標準と保持属性を含むプロファイルの検討を行う。
研究を進めることで、国や機関をまたいで学術機関が発行するデジタル資格証明が利活用される安全・安心で利便性の高い社会の実現が期待できる。
NIIは、学認のトラストフレームワーク・ルールの改定や技術仕様へ検討結果を反映するためのディスカッション・ペーパーなどの執筆や実際のルールへの反映を行う。
CTCは、国際的な標準技術の適用に関する検討ならびに実証プロジェクトの遂行、および実証に利用するアプリケーションなどの開発支援を行う。
今後の展望
NIIは、次世代認証連携に向けた仕様策定を進めており、CTCは学術機関におけるデジタル学生証の発行に関する実証実験を複数実施し、デジタルアイデンティティの技術標準についてシステムでの実装に早期から取り組んでいる。
今後、両者は国内のみならず、国外の学術機関との相互運用を行うため資格証明の仕様検討・実証を進め、民間サービスを含めた利活用も視野に研究を進めていく。