SCSKは11月19日、「AIとERPが導くビジネスの未来 2025年の崖を越える道」と題したイベントを都内のホテルで開催した。イベントの中で同社は、ERPソリューション「PROACTIVE」をリブランディングし、業務・業界特化型 AI「PROACTIVE AI 」を中核とした、AIセントリックなデジタルオファリングサービスの提供を開始すると発表した。
SCSKの専務で最高情報セキュリティ責任者を務める尾﨑務氏は「当社はPROACTIVEを通じて日本の働き方を変え、日本企業の競争力を高められると信じている。業務・業界に特化したオファリングの価値を即座に感じてもらえるだろう」と胸を張って発表した。
新オファリング「PROACTIVE」の概要
オファリングサービス事業の中核となるERPシステム「ProActive C4(プロアクティブシーフォー)」を、製造業向け生産管理システム「atWill」、建設工事および住宅基幹業務管理システム「PImacs」と統合して、AIセントリックな「PROACTIVE」として刷新される。
同社は、これまでに8000社以上の業務を支援する中で培ったノウハウや知財と、AIなどの先進技術、パートナーとのコラボレーションによりオファリングを提供する。データ駆動による迅速な経営判断を支援するだけでなく、業務または業界特化のAIによる業務の自動化と効率化、事業環境の変化に対応する高いアジリティなどを提供するとのことだ。
PROACTIVEが提供するアプリケーション群
サービスの中心となるPROACTIVE AIは、プロセスの自動化や対話型のユーザー支援が可能。業務や業界に特化したAI機能により、各社の特有の課題を分析し、その結果と予測を出力する。データ分析や運用にAIを活用することで、専門知識がなくても迅速かつ高度な経営判断を支援する。
また、ユーザーインタフェースとしてMicrosoft teamsを活用でき、チャット形式でAIが業務をサポートする。同社内での実績によると、従来は10分程度かかっていた経費申請のフローを3分ほどに短縮できたそうだ。
PROACTIVE AIはAmazon QuickSightとの連携にも対応しており、会社や組織ごとに売上や利益を可視化して経営判断の支援などが可能。将来的にはAmazon Bedrockとの連携も予定しており、生成AIの効果的な活用にもつなげるとのことだ。
アプリ開発基盤のatWill Platformは、高速に変化する事業環境に対応するためのアジリティの提供を目的とする開発プラットフォーム。クラウドを前提としながら、外部ソリューションとの連携によりイノベーションを支える。ローコードでの開発に対応し、システム開発の経験やプログラミング言語の専門知識がなくでもアプリケーションを構築できる。
PROACTIVEによるオファリング
PROACTIVEでは上記のアプリケーション群とコンサルティングサービスを組み合わせて、オファリングサービスとして提供する。業務特化のオファリングでは、会計向けの「PROACTIVE Finance」をはじめ、販売管理向けの「PROACTIVE Sales」、生産管理向けの「PROACTIVE Production」、人事領域に関連する「PROACTIVE People」を手掛ける。
一方、業界に特化したオファリングでは、卸売・商社向けの「Wholesale & Trade」、建設業向けの「Construction」、素材・素材加工製造業向けの「Material Process」、電機・機械製造業向けの「Electric Machinery」を提供する。なお、これらのラインアップは今後順次追加される予定だ。