SCSKは11月6日、ネットワンシステムズとの経営統合に向け、同社の完全子会社化を目的として、ネットワンシステムズの普通株式と新株予約権を公開買付けにより取得すると発表した。

TOBの買い付け価格は1株あたり4500円、買い付け予定数の下限は5296万600株、買付代金の総額は約3600億円。2026年4月を期日とする両社の合併についての検討も開始する予定。

統合により提供するサービス

両社は、対等の精神に基づ有機的な経営統合を行い、高度かつ最新のITインフラサービス技術とアプリケーションサービス技術を活用したソフトウェアエンジニアリングサービスの融合による事業構造の転換を目指す。

具体的には、SCSKの主要顧客に対し、ネットワンシステムズのネットワークインテグレーションサービスを中核とするITインフラサービスを展開するほか、ネットワンシステムズのエンタープライズ市場における主要顧客に対し、SCSKのシステム開発・保守・運用サービスを提供する。

また、サーバを中心としたSCSKのインフラ運用サービスに、ネットワンシステムズのネットワークレイヤーサービスを組み合わせることで、サーバ、ネットワーク、セキュリティ、データセンター等のITインフラ領域全般にわたる構築・運用サービスをワンストップで提供する。

統合後の注力事業

SCSKは経営統合後の企業グループが中長期的に目指す事業構想として、「デジタルインフラPaaS事業」「オファリングサービス事業」「「データインテグレーション・利活用プラットフォームサービス事業」を注力事業として推進することを検討している。

デジタルインフラPaaS事業としては、企業に対し、ネットワンシステムズが保有するネットワークの仮想化技術、マルチクラウド・ハイブリッドクラウドの環境構築・運用支援の経験・技術・知見を活用し、コンピューティングリソースを一括して供給するプラットフォームを提供。また、生成AIを組み込んだノーコード・ローコード開発基盤機能も提供し、顧客の内製化要求にも対応するハイブリッドクラウドPaaS/IaaSサービスを展開する。