サイボウズは10月24日、住信SBIネット銀行が、カスタマーセンターから他部署へのエスカレーションを、表計算ソフトとメールでの作業からkintoneに移行することで、工数を半減させたと発表した。

エスカレーション業務の工数が半減

住信SBIネット銀行のカスタマーセンターでは、オペレーターが顧客からの問い合わせ内容を所管部に確認する際の手段として、表計算ソフトとメールを利用しエスカレーションを行っていた。

しかし、ビジネス規模が拡大するにつれ、大量なデータによるファイル破損対策、大人数でのファイル共有によるデータ更新時やメール送受信時のオペレーションリスク防止策など、課題が発生していた。

そこで、kintoneを情報共有基盤として採用し、業務フローの再構築を行ったことで、複数人月程度におよぶ工数を要していたエスカレーション業務の工数が半減した。

現在は、カスタマーセンター以外の複数の部門にもkintone導入が拡大しており、当初20ユーザーで契約したkintoneアカウントは、550ユーザーにまで増大している。また、実験的に開発したものも含めると、200を超えるアプリが作成されている。

  • カスタマーセンターの各部署へのエスカレーション業務にkintoneを活用するイメージ

kintone+生成AIで、顧客電話用対話型AIのシナリオ作成

さらに、同行はkintoneと生成AIを活用して、業務改善に取り組んでいる。

具体的には、顧客の電話に自動応答を行う対話型AIの活用に向け、kintoneとM-SOLUTIONSが提供する「Smart at AI」のプラグインを利用して、受け入れテスト(UAT)のシナリオを作成している。作成した質問文は、UATで対話型AIがどう回答するかのテストに使用されている。

一問一答形式で処理を行うチャットベースの生成AIに対し、kintone+Smart at AIでは、APIコールの連続実行によって繰り返し処理を行えることから、時間と手間の大幅な削減が見込めるという。