プライムライフテクノロジーズ(以下、PLT)および同グループ5社(パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニック建設エンジニアリング、松村組)は10月22日、7月に策定したグループブランド「未来をまちづくるPLT」を核としたブランド戦略を打ち出すための具体的な活動を開始するとして、記者向けの説明会を開催した。

活動の第一弾として、PLTの企業サイト内にまちづくり事業者を対象とするWebページを新たに開設。このページでは、大都市への人口集中や地方の活力低下といった社会課題に対する、グループ会社のソリューション事例を紹介している。

未来のまちをつくるための4つの約束

説明会では、まず代表取締役社長の北野亮氏が新ブランド策定の背景と、今後の事業戦略について解説した。同氏によると、カーボンフリー、ウェルネス、サステナブル、コネクテッドの4つの領域で、建設やまちづくりといった同社グループ全体の強みを活用するべく、事業の方向性を示すためのブランドとして策定したという。

  • PLT 代表取締役社長 北野亮氏

    PLT 代表取締役社長 北野亮氏

以前のコーポレートメッセージは「くらしの"あたりまえ"をかえていく」。これを、実業に根差した将来のありたい姿を具体的に想起できるよう、新たなコーポレートメッセージ「未来をまちづくるPLT」とし、同時にステートメントとして「まち・くらしを創造する姿勢を具体的に示す社会と顧客への約束」を定めた。

北野氏は「以前のコーポレートメッセージはとても懐の深いメッセージであった一方、全方位的であったとも言える。住宅・リフォーム・不動産・建設・デベロッパといった複合的な事業を展開する当社においては、より実業に根差したメッセージを制定する必要があった」と振り返っていた。

  • PLTは新たなコーポレートメッセージを示した

    PLTは新たなコーポレートメッセージを示した

ステートメント実現に向けた4つの約束

同社は未来をまちづくるための新ステートメントの下、ステークホルダーに対して4つの約束を示している。まず1つ目は「空間資源を有効活用し、社会課題の解決に向けて、未来をまちづくる」。全国の跡地や遊休地を魅力のあるまちに仕立て直し、人口の流動化を促す。これと同時に、移転や建て替えの必要な医療機関や公共施設などをコアとした活気あるまちづくりを目指す。

2つ目は「住み変えたくなるまちから住み続けたくなるまちへ。まちの魅力を高めて、未来をまちづくる」。住宅や建設、モビリティなどPLTグループ各社が強みとする領域を活用して、住みたいまちと住民との出会いを創出する。継続的にまちの魅力を向上する活動にも取り組む。

3つ目は「生活の質を向上し続けるとともに、自分らしい居場所のあるまちへ、未来をまちづくる」。移動のバリアフリー化や先進技術の導入により、生活の質の向上を支える。誰もが自分らしくいられる居場所があり、自己実現できるようなまちを目指す。

4つ目は「まちの価値を創るバリューイノベーターとして、地域に根を張り、未来をまちづくる」。地域住民や地元企業などと協力しながら、まちの新たな価値を創る企業でありたいという。地域を愛する「まちプロデューサー」を育成し、活動を日本各地やグローバルへと展開するとのことだ。

  • PLT 代表取締役社長 北野亮氏

新ブランド戦略下で2030年に売上1.2兆達成を目指す

PLTグループは今後、新ブランドをカタログなどのPR制作物やホームページ、養生シート、現場看板などへ掲示する。これにより、グループとしての認知向上を図るとともに、グループ各社の社員がPLTに属する一員であることを自覚し誇りを持てるよう促す。

「PLTグループが果たすべき役割を社内外に示す機が熟したと確信している」と、北野氏は胸を張り語った。

同社グループは2030年に売上1.2兆円を達成するとして、2020~2030年までを3つのフェーズに分けてメッセージを発信している。2020~2022年は事業戦略のフェーズ1として、新築請負事業を中心に稼ぐ力の復権を達成したという。続く2023~2025年はフェーズ2で、ポートフォリオの変革とビジネスモデルの革新を図る。2026~2030年はフェーズ3相当し、くらしサポート事業者への進化を遂げるとのことだ。

  • 事業戦略における3つのフェーズ

    事業戦略における3つのフェーズ