生成AIのトレーニング目的に作品が許可なくされることは脅威だ--。このような請願書が公開され、1万3500人以上が署名している。その中には、ノーベル賞作家のカズオ・イシグロ氏、俳優のJulianne Moore氏などの名前もある。

いまだに議論が続く、AIトレーニング目的のデータ利用

請願書は「AIトレーニングについての声明」というもので「生成AIのトレーニングのために創作物を無許諾で使用することは、作品の背後にいる人々の生活に対する重大かつ不当な脅威だ。決して許されるべきではない」としている。

The Guardianによると、主催しているのは英国の作曲家であるEd Newton-Rex氏だという。Newton-Rex氏はAIベンチャーのStability AIでオーディオ担当バイスプレジデントを務めたが、モデルの学習に著作権のあるコンテンツを許可なく使用することについての見解の不一致を理由に退社。

その後、生成AIの倫理問題に取り組むべく、Fairly Trainedを立ち上げた。Fairly Trainedは生成AI向けにトレーニングされるデータの公正さを認定する非営利団体だ。

請願書にはKate McKinnon氏、Kevin Bacon氏などの俳優、Ian Rankin氏、James Patterson氏などの作家、RadioheadのThom Yorke氏、ABBAのBjörn Ulvaeus氏などのミュージシャンと、さまざまなクリエイター、出版社HarperCollins、音楽レーベルSony Music Group、Universal Music Group、Warner Music Groupといった企業や団体が署名している。