シスコシステムズは10月21日、最新の「Cisco Global AI Partners Study」の結果を公表した。世界中のIT企業パートナーが、AIテクノロジーの需要が今後4~5年間で大きく変化し、自社の主要な収益源になると見込んでいる。また、回答したパートナーの40%が、今後の収益の50%以上がAI関連テクノロジーによるものになると予測している。

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調査によると、パートナーの44%がAI関連テクノロジー投資の需要が今後4〜5年で75%以上拡大すると予測している。主な推進要因として、インフラストラクチャ(31%)、サイバーセキュリティ(17%)、カスタマーエクスペリエンス(9%)の3つが挙がった。

AI需要の高まりに伴い、パートナーは自社の収益構成が大きく変わると予測。短期的には35%のパートナーが1年後には収益の26〜50%がAIによるものになると予想しており、長期的にはAIの貢献度がさらに高まると見込んでいる。

シスコのグローバル パートナー エンジニアリング担当バイスプレジデント・Alex Pujols氏は、次のように述べている。「AI が業務を変革する可能性は計り知れません。その実現には、パートナーの実践的な導入能力を強化するための協調的な取り組みが不可欠です。今回の調査では、IT 企業パートナーが AI 導入をリードすることで大きな収益機会があることが示されました。AI 成熟度を高めることに注力することで、シスコとその大切なパートナーのエコシステムは、顧客に変革的な成果をもたらし、AI 時代のチャンスを活用できるでしょう」

今回の調査では、パートナーがAIテクノロジーに関する知識と理解に自信を持っていることが示された。調査は「インフラストラクチャ」、「データ」、「ガバナンス」、「人材」の4つの柱に焦点を当て、AI導入に必要な能力を評価している。具体的な能力として、スケーラブルで適応力のあるAI対応インフラの構築、十分なGPUリソースの確保、データセンターのレイテンシやスループットの維持、データ主権やプライバシー法の理解が挙げられる。

パートナーはAIテクノロジー導入に自信を持っている一方で、今後のチャンスを活かすために解決すべき課題も認識している。主な課題として、新技術導入の経験不足(64%)、システムやプロセスに関する知識不足(54%)、使用可能なテクノロジー不足(52%)が挙がった。これに対処するため、パートナーの80%が社員のAIスキル向上に投資し、社内外で専門トレーニングを実施していることがわかった。