ようやく秋の夜長を感じられる気温に入りつつあるのか?とホッとする今日このごろであるが、思い返せば灼熱の日々。リーズナブルな木造拠点をベースに活動する筆者は、複数の冷風機と氷を使い凌いでいたが、さすがにクーラーを設置しなければ生命の危機すら感じてしまう夏であった。

また、年々上昇する室内気温に加えて、年始からの能登半島地震の災害や頻繁に襲来するゲリラ豪雨と災害情報に触れる機会も多かったため、備えの重要性をあらためて認識した。45リットルの登山リュックを新調し、非常食や飲料水、テントや釣具の手入れ、オフロードも兼用できるバイクの整備と危機管理を強く意識した夏でもあった。危機管理を強く意識するなかで、"防災情報を効率的に入手する方法は無いだろうか?"ふとそう思った。

地震や気象による災害情報はスマホやアプリで著しく進化しており日常に浸透しているが、実際の注意・警戒情報以外にも細かな状況を発信しているWebサイトや動画もある。"リアルタイム 地震"などで検索すると小さな地震や振動のgal単位で地中カウントを視覚化してライブで放送する動画チャンネルもある。カウントの増加傾向や小さな地震もリアルタイムでフォローしており、警報や注意がある場合には音声や画面を使ってアラートで表示する。

これらをPCのブラウザで表示させておくのも良いのだが、継続性に難がある。災害に対する備えや意識がそうであるように、常にこれらを保つのは難しい。"忘れた頃にやってくる"のが地震である。毎回、Windows起動時に特定Webサイトが開くようにするには、Webページのショートカットをスタートアップフォルダ(Win+R(ファイル名を指定して実行)でshell:startup)にいれておけば良いのだが、これ以上ブラウザのタブが多くなるのはメモリや画面スペースの点で問題もある。

  • Win+R(ファイル名を指定して実行)でshell:startupで開くスタートアップフォルダ。Webページのショートカットファイルを入れておけばPC起動時にブラウザとともにページが開かれる

筆者の目にとまったのは、業務で使用したRaspberry Pi。カメラやセンサなどハードウェアモジュールでカスタマイズすることで気圧や湿度から光やガス、土壌水分計測など、できることが広がるシングルボードコンピュータだ。IoTや電子工作の文脈で語られることの多いRaspberry Piだが、Raspberrypi OSでは、ブラウザやメールなどインターネット環境がデフォルトで使えるので、PCと同じようにLANケーブルやWiFiでインターネットが利用できる。ここにリアルタイム情報サイトを表示しておけば、専用端末のできあがりだ。ポイントはスピーカーを備えた小型モニタを設置しておくこと。BGMのように地中カウントの計測を発し、小さな地震でもアラートを発してくれる。一度表示させておけば、キーボードやマウスは外せるので邪魔にならない。

  • Raspberry PI 5にスピーカー付き小型モニタ。リアルタイムな地震情報を可視化された情報と音声で届けてくれる専用端末に

情報を探せばたどり着けるのが当たり前の時代になったが、探さずとも重要な情報を固定的に表示させることには意味がありそうだ。少々贅沢な使い方だが、ほかにもカレンダーやメール、チャットツールなど特定の役割を与えた専用端末として試してみたが、マウスで探さずに自然に認知できることがとても心地よい。多機能であるために、本来別のツールが担う役割が強要されて、集中しすぎているケースもあるように思う。集中する機能を分離することで効率的になることもある。そんなことも感じた。