TISインテックグループのTISとSAKEXは9月24日、米鶴酒造が提供する日本酒と特別体験をNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)として販売する実証実験を9月24日より開始することを発表した。
実証の概要
TISのトークン活用型ブランディング支援サービスは、商品や体験のトークン化に必要な企画、技術、法務などを包括的に支援する。同サービスにより企業はトークン化をスムーズに実現でき、ブランディング強化や新しい購買体験の提供が可能となる。
今回の実証実験では、SAKEXが運営するECサイト「SAKEX」で、米鶴酒造が醸造する日本酒と特別体験トークンをセットにして販売する。購入者は米鶴酒造の日本酒を自宅で楽しんだ後に、特別体験トークンをチケットとして米鶴酒造が限定開催する特別体験に参加できる。さらには、特別体験への参加や、参加者の証として受け取れるファン証明トークンを通じて、地域や造り手と継続的な関係も構築できるという。
今回の実証実験ではTISとSAKEXが企画・運営を行い、TISはトークンの発行、SAKEXは「SAKEX」での日本酒と体験の販売、米鶴酒造は日本酒および特別体験の提供をそれぞれ担当する。
実証実験の内容
今回販売するのは、米鶴酒造「米鶴 米の力 特別純米 亀粋」と、米鶴酒造社長との日本酒ペアリング特別ディナー。販売価格は3万円(税込)で、実施期間は9月24日~12月14日。なお、販売期間は9月24日~11月15日、特別体験の開催日は11月16日、11月30日、12月7日、12月14日の4日間。
実証実験の特徴
今回の実証で使用するトークン活用型ブランディング支援サービスでは、「モノのトークン化」による新しい流通を実現する。商品と体験の権利をトークン化して取引することで、場所などの物理的な制約を受けずにECサイトや個人間での2次流通など複数チャネルを通じて商品を届けられるようになる。
また、ブロックチェーン上で発行されるWeb3トークンはコピーや改ざんが不可能で、発行者や所有者が検証可能である。実際の商品自体が流通するのではなく、その権利であるトークンのみを流通させ、最終的に生産者と購入者の当事者間でトークンと実物を交換することで、真贋対策と品質管理の両面で高い透明性を実現する。
商品の企画から流通、消費までの過程において、メーカーが商品ライフサイクルの各段階で状態が変わるトークンを発行することで、「購入して終わり」ではない購入者との継続的な関係づくりも見込めるとのことだ。