Snowflakeはこのほど、年次カンファレンス「SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2024」を開催した。その際、今年2月にCEOに就任したスリダール・ラマスワミ氏が同社のAI戦略について説明した。さまざまなITベンダーがAIに取り組んでいるが、同社の差別化のポイントは何か。
Googleのキャリアを経て、Snowflakeのユニークな視点に共感
ラマスワミ氏はSnowflakeに入社する前、Googleで活躍した後にNeevaを設立したという経歴を持つ。Neevaは、広告なし、ユーザーのプライバシーの保護を重視したインターネット検索エンジンを提供していた。同氏はNeevaを立ち上げた経緯について、次のように説明した。
「サーチはユーザー主軸でなければならない、サーチとAIを組み合わせることで新しいことができると考えた。さらに、エンタープライズ寄りのサーチを作りたいと思った。Googleは消費者のマインドから脱却させるのは難しい」
そして、データベースを専門としてきたSnowflakeではまだまだやれることがあると思い、CEOに就任することになったという。「ユニークな観点持っているSnowflakeだからこそ、現代の世界に異なる考えを普及し、多くの支援ができる」とラマスワミ氏。
企業におけるデータ共有を支援
続いて、ラマスワミ氏は就任からこれまでのビジネスについて語った。同氏は、「Snowflakeは、コンピュートとエンジンを分けてアナリティクスにつなげ、あらゆることと連携している統合プラットフォームを提供している。このプラットフォームが簡単に使えることが大事。また、Snowflakeは顧客にフォーカスしており、そこから価値を見い出している。今後もこれらを続けていく」と述べた。
ラマスワミ氏は、データファウンデーションの強化についても言及した。同氏によると、企業は、データを資産として見なし、閉じ込めないようにして活用することを可能にする、総合運用型のストレージに興味を持っているという。
こうした企業のニーズに応えるため、Snowflakeは、Apache Icebergテーブルに対応した。ラマスワミ氏は「Icebergテーブルにより、データコラボレーションの機会が生まれる。データを共有することが大事であり、そのための取り組みを継続する」と語った。
加えて、国内のパートナーとしてパナソニック、NTTドコモ、インテージを挙げ、「日本は重要なマーケットであり、これからもコミットを深めていく」と述べた。
企業にとって必要な「信頼できるAI」を実現
ラマスワミ氏が「SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2024」の基調講演でも語ったように、Snowflakeは「エンタープライズAI」というAI戦略を掲げている。
ラマスワミ氏は、コンシューマーAIにおける課題として、信頼できるかどうかが注目されていないことを指摘した。「ChatGPTの出す回答の5%がハルシネーションと言われており、回答の正誤をユーザーが決定しなくてはいけない状況にあり、これは何とかしなければいけない」と同氏。
ビジネスでAIを活用とすると、コンシューマーの利用以上に、正しい回答を出すことが求められる。「だからこそ、信頼できるエンタープライズAIが必要になる」とラマスワミ氏は述べた。
そこで、SnowflakeはAI基盤を開発するだけでなく、正しい回答を出すことにも注力している。さらに、ラマスワミ氏は「もっと重要なことは、これまで以上にAIを簡単に使えるようにすること」と話した。
AIは簡単に使えるとともに、効率を上げることも重要だという。ラマスワミ氏は「われわれは、AIについて、簡単に使える、効率を上げる、信頼できるものにすることに注力している」と説明した。
企業の成功のカギ握るデータの力
さらに、ラマスワミ氏はAI、データの将来について予測して見せた。同氏は、30年のキャリアで得た重要な気づきとして、最も成功を収めている企業はデータ戦略やプロダクト戦略を中核としていると指摘した。
ラマスワミ氏はGoogleで検索広告ビジネスに従事していたが、人の行動に基づいて広告を厳選して見せ、データのフィードバックループによって改善するといったデータループがうまくいっていたので、検索広告が成功したと述べた。
また、テスラを例に挙げ、「クルマの振る舞いを収集して、それを分析して活用しているからこそ、目覚ましい進化がある」という。
「企業の成功の根底にあるのはデータの力。だから、われわれはデータを簡単に組み込んで使ってもらえるようにする。データを使って企業の効率を上げることが真の価値になる」とラマスワミ氏は語っていた。
