ユーザーの関心はこの2年間でどう変化したのか?
今回、CEO/Co-Founder上田学氏とCTO/Co-Founder Ethan Kan氏に個別インタビューを行い、イベントの狙いや注目している技術について聞くことができた。
プライベートイベントは2年ぶりですが、今回のイベントの目的は何でしょうか?
上田氏:元々MODEは、IoTセンサーを売りにしている会社でしたが、AI×IoTというところに大きく方向転換していますので、この点を改めて知っていただきたいというのが主な目的です。AIを始めてから他社さんとの連携がすごく広がり、AIがすべてを束ねる核になったような形で提携も進み、一緒に提案させていただいくケースが増えています。
提携先は、御社にどのような魅力があると考えていると思いますか?
上田氏:データセンシングを幅広くやっている会社があまりないところが一つあると思っています。われわれはセンサーだけでなく、カメラ、音声、写真と、ありとあらゆるものをつなぐといっているので、そういう会社は珍しいです。これまでは「全部を束ねられます」といっていましたが、先方にとっては束ねられるだけではメリットがありません。束ねることでAIが使えるようになるというオマケが付き、それで魅力が上がったのではないでしょうか。
御社はいろいろなセンサーに対応していますが、センサーに対する柔軟性を実現するためにどのような工夫をしていますか?
Ethan Kan氏:われわれはいろんなセンサーをサポートする前提でアーキテクチャを作っています。具体的には、ブロックをはめるような感じで、全体の設計はすごく時間をかけて考えていますが、1個1個のセンサーへ対応は違いの味付けだけを行えば良いので、いろいろなセンサーに迅速に対応できるようになっています。
開発は、日本と米国の2拠点で行っていますが、それはなぜですか?
Ethan Kan氏:日本にお客さまが多いので、お客さまのニーズを肌で理解できるエンジニアが日本にいることは、すべて米国で開発することに比べると、アドバンテージがあります。
今後、生産性が一気に上がる、あるいは差別化ポイントになる点で注目している技術はありますか?
Ethan Kan氏:データは文字や数値だけではなく、映像や音声など、さまざまなコンテキストが含まれているので、マルチモーダルなインプットをベースに答えを導き出す、解決策を出すというところが、直近で注目している領域です。
今回は2年ぶりのプライベートイベント開催ですが、2年前との違いを感じる部分はありますか?
上田氏:2年前は、企業でのデータ活用が注目されていると感じました。今回は、生成AIをどのように仕事や業務に取り入れていけばいいのかについての示唆がまだないため、それを探りに来られていると感じました。
2年前は、IoTのデータに価値があることを一生懸命伝えないといけなかったのですが、この2年間でデータの価値が理解され、この先どこに行くのかに皆さんの興味が向いていると感じます。