ソフトバンクとIntelsatは9月17日、地上のモバイル通信ネットワークと衛星通信などの非地上系ネットワーク(NTN)を融合し、いつでもどこでも接続できる「ユビキタスネットワーク」の実現に向けた共同技術検証を行うことで合意したことを発表した。両社は今後、地上のモバイル通信ネットワークと衛星通信ネットワークの間を5Gの標準仕様に基づいて、シームレスに接続する技術の検証と開発を進める。

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ソフトバンクとIntelsatは、モビリティの自動運転が進む中で通信エリアの課題を解決するため、地上のモバイル通信と衛星通信の両方に対応するハイブリッド通信ソリューションを共同開発する。

これによりユーザーは、1つのデバイスと1つのサービス契約でどこでも地上のモバイル通信と衛星通信にシームレスに接続可能となる。地上ネットワーク間のローミングと同様の技術や仕様を基に実現され、3GPPのNTN向け5G標準仕様に準拠したモビリティ向けソリューションの早期商用化に貢献するとしている。

今回の共同技術検証では、世界中のどこでも通信ネットワークに接続できるユニバーサルなデバイスの開発が行われる。将来的には、このデバイスを搭載したコネクテッド車両が、地上のモバイル通信圏外になると自動的に衛星通信ネットワークへの切り替えを実現することが可能になるとし、陸上の車両や海上、災害対策など、幅広い分野での活用が期待されるという。

ソフトバンクとIntelsatは、3GPPのNTN向け5G標準化に合わせて、ハイブリッド通信ソリューションの設計・開発、現地試験、商用化を段階的に進める。短期的には既存の衛星通信デバイスを活用し、中長期的には新たな5Gベースのデバイスを開発し、ソリューションの実現をめざす。

IntelsatのCTOであるBruno Fromont氏は、次のように述べている。「Intelsatとソフトバンクは、衛星通信と地上のモバイル通信間のシームレスな相互運用を可能にするユビキタスネットワークという革新的なビジョンを共有しています。これまで、二つの異なるネットワークを接続するためには、技術標準の統一化という課題がありました。Intelsatが主導する、3GPPにおけるNTNの5Gの標準化の進展と、今回のソフトバンクとの戦略的なパートナーシップにより、さまざまなデバイスが地上のモバイル通信ネットワークと衛星通信ネットワークを自由にローミングできるハイブリッドサービスの商用化に向けて、設計と実装を加速させていきます」

ソフトバンクの専務執行役員兼CTOの佃英幸氏は、次のように述べている。「地上のモバイル通信ネットワークと衛星通信ネットワークをローミングで切り替える技術により、これまで切り離して考えられていた二つの通信ネットワークを融合し、モバイル通信の拡張として衛星通信を利用することが可能になります。今回の共同技術検証により、ソフトバンクとIntelsatは、世界中の人や物がいつでもどこでも通信につながることができるユビキタスネットワークの構築を目指していきます」