NTTタウンページとNTTカードソリューションおよび東京都大田区健康づくり課は9月12日、子育てに関する情報提供や相談支援など子育て支援事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進し、区内の子育て世代の利便性向上、業務効率化を実現したことを発表した。
事業の概要と連携の背景
大田区は、妊娠期から出産・子育てまで一貫して身近で相談に応じ、さまざまなニーズに対し必要な支援につなぐ伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施している。
同事業では同区に住民登録がある1歳~2歳の誕生日を迎える子どものいる世帯を対象に、子育てに関する情報提供や相談支援に向けたアンケートを実施。アンケートに回答した世帯を対象に、子育て応援ギフトを送付している。
従来、子育て応援ギフトの送付にあたっては、区職員が手作業で封入・封緘を行い、簡易書留での差し出しを行っており、郵送コストや区職員の業務稼働を要していたほか、発送から受領まで一定の日数がかかるなど、区民の利便性向上と業務効率化が課題となっていた。
そこで、子育て応援ギフトを従来の紙のギフト券からNTTカードソリューションが調達するデジタルギフト「Amazon育児支援券」に変更するとともに、NTTタウンページが提供するSMS配信サービス「SMSソリューション」を活用して、Amazon育児支援券をスマートフォンへ直接送信することで配信のセキュリティを高め、利便性の向上と業務の効率化を図った。
自治体と各社の役割
自治体と各社の役割としては、大田区が在住の対象者に対する子育てに関するアンケートの実施、携帯電話番号の収集、事業に関する問い合わせ対応、NTTタウンページがSMSソリューションの提供、配信代行・管理、NTTカードソリューションがAmazon育児支援券の調達を行った。
子育て応援ギフトの給付を、従来のギフト券の郵送からSMSソリューションを活用したAmazon育児支援券の配信へ切り替えたことで、簡易書留の場合、最大2日かかっていた書類到着までのリードタイムがなくなり、Amazon育児支援券の取得後、即時受取りが可能となったという。
また受取対象者本人が申請時に開封パスワード設定を行い、SMS受信時にそのパスワードによる本人認証を行うことで、受取対象者本人へ確実に届けることができるようになった。
加えて、大田区としては、これまでの郵送からSMS配信へ切り替えることでコストダウンし、郵送や印刷に関わる経費が従来の1割程度、約90%の削減に成功したとのこと。さらに、2024年10月の郵便料金の値上げにより、実質的にはさらなる郵送費の削減が見込まれている。
さらに、SMS配信業務をNTTタウンページへ委託することにより、毎月の印刷から封入・封緘・差し出しまでの作業が削減され、大田区職員の業務稼働の軽減につながっているのに加え、手作業の封入などの業務をなくしたことにより、誤配送リスクの低減・封入漏れのゼロ化も実現したという。
引き続きNTTタウンページとNTTカードソリューションは、地域に密着したICT企業としてデジタル技術を強みに持つ特性を活かし、地域課題の解決や価値創造に貢献していきたい考え。