NECは9月5日、生成AIを活用してHSコード(輸出入統計品目番号)の特定を支援するシステムを開発したことを発表した。通関士が不足するという課題に対し、通関士のノウハウやナレッジの伝承に貢献する。

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システムの概要

同システムは、経験が浅い担当者が直面するHSコード特定の課題を解決し、ノウハウやナレッジの伝承を支援するもの。アイテム名や用途を入力すると、HSコード候補とその根拠が提示され、必要に応じて追加情報も提供される。担当者が生成AIの質問に回答することで、HSコードが特定されるという。

生成AIは「関税率表解説」を理解して回答を導くため、キーワードや類義語検索よりも正確な結果を提供する。例えば、除外規定なども文全体の意味を理解し、正しいコード特定に貢献する。NECは2025年度の提供開始を目指し、既存の「関税計算書システム」と組み合わせて、通関申告業務の効率化を図る。

生成AIを活用することで、キーワード検索や類義語検索と異なり「関税率表解説」を理解した回答を導き出すことが可能だという。例えば、除外規定文のような複雑な内容でも、生成AIを活用して文全体を理解し、正しいHSコードを特定することにつながるとしている。

NECはこのシステムの性能向上を進め、2025年度の提供開始を目指している。また、現在提供しているEDA(輸出申告事項登録)/IDA(輸入申告事項登録)作成支援ツール「関税計算書システム」と組み合わせることで、通関申告業務全体を効率的にサポートする。