アスクル、カスタマーハラスメントに対する基本方針を策定 従業員の心身の健康と安全を守る

アスクルは9月4日、カスタマーハラスメントの定義や対応をまとめた「カスタマーハラスメントに対する基本方針」の策定を発表した。従業員の心身の健康と安全を守り就業環境を適正に保ち、サービスの持続的な提供と品質の維持を目指す。

アスクルはこのほど、厚生労働省のマニュアルを基にカスタマーハラスメントに該当する行為を定義するとともに、カスタマーハラスメントが発生した際の対応や、カスタマーハラスメントに対する主な取り組みをまとめた「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定した。

厚生労働省による「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき、「お客様などからのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、従業員等の就業環境が害されるもの」をカスタマーハラスメントと定義するとし、「威迫・脅迫・威嚇行為」「侮辱や人格を否定する差別的な言動」「社会通念上過剰なサービス提供の要求」「規約範囲を超えた返金や補償の要求」「同じ要望やお問い合わせの過剰な繰り返し」「プライバシー侵害行為」などの主な具体例を示した。

カスタマーハラスメントへの対応としては、対象となる行為があったと自社グループが判断した場合、サービスの提供やカスタマーサポートの対応を断る場合があること。自社グループが悪質と判断した場合には、警察・弁護士に相談等のうえ、適切に対処することを示した。

さらにカスタマーハラスメントに対する主な取り組みとして、「カスタマーハラスメント発生の防止、低減に向けた取り組みの推進」「カスタマーハラスメントに関する知識、対処方法についての教育・研修の実施」「カスタマーハラスメント発生時の相談窓口、そのほかサポート体制の整備」「カスタマーハラスメント被害にあった従業員等のメンタルをケアする体制の整備」を挙げた。

アスクルは、「仕事場とくらしと地球の明日(あす)に『うれしい』を届け続ける。」 をパーパス(存在意義)に掲げ、事業を通じた社会への貢献を目指している。創業以来根付く「お客様のために進化する」というDNAのもと、日頃より寄せられる貴重な「お客様の声」に真摯に向き合い、商品やサービス、事業戦略に活かして取り組んでいる。

グループとしての人権方針を定め、取るべき行動を示した「ASKUL CODE OF CONDUCT(倫理・行動規範)」に則り、顧客に寄り沿った対応を心がけているが、一部の顧客から心無い言動・暴言や不当な要求等のカスタマーハラスメントに該当する行為を受けることがあるとし、今後サービスの持続的な提供と品質の維持においては、従業員の心身の健康と安全を守り、就業環境を適正に保つことが必要不可欠であると考え、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」の策定に至ったとしている。