カルビーかいつかスイートポテト、さつまいもの新たな価値を創造 カルビーグループでアグリビジネス推進を担う

さつまいもの加工卸売事業を手がけるカルビーかいつかスイートポテトは、2020年4月にカルビーグループに入り、事業を拡大している。ECサイトや実店舗で焼き芋などのさつまいも加工食品を販売し、ブランドの認知を拡大している。ECサイトの運営は今年4月からカルビーが行っている。

同社のさつまいも事業は、カルビーが掲げる成長戦略の中で重要な役割を担っている。カルビーは国内コア事業の停滞という課題を抱えている。量的拡大に依存した成長が望めない中で、新たな利益構造への転換を目指している。

▲冷凍焼き芋「紅天使」

2023年度から2025年度までの期間を次なる成長に向けた事業構造改革の時期と定め、さつまいも事業などのアグリビジネスを含む新規領域で、全体の売上高比率の5%の収益を確保する方針だ。

<独自の技術で商品の味が大好評>

カルビーかいつかスイートポテトの強みは独自の貯蔵技術と、さつまいもの品種に合わせた焼き方、熟成方法だ。独自の貯蔵技術で秋にしか収穫できないさつまいもの質を通年、損なうことなく保存する。焼き芋は品種に合わせた焼き方により、甘みを最大限に生かしている。

商品の味はかなり好評で、保存用やギフト用などの需要も生まれているという。

購入者からの好評を受けて商品に手応えを感じる一方で「国内で取れるさつまいもは年々減少傾向にある。数に限りがあるものなので、認知拡大は丁寧に推進していきたい」(かいつか担当ディレクター 林清一氏)と話す。

<ECサイトはブランドを全国に知ってもらう役割>

現在、茨城に4店舗、千葉に1店舗、神奈川に1店舗を常設で展開しているほか、自社ECサイトでも販売している。現状では店舗での売り上げの方が大きいが、店舗数に限りがあるため、ECサイトでの販売を強化している。

ホームページやECサイトには、管理栄養士によるさつまいもコラムや多彩な写真とともにオリジナルレシピも掲載している。

▲焼き芋のレシピをホームページに豊富に掲載

2023年度は関東を中心に、毎月数回の頻度でポップアップストアを開催した。自宅近くに店舗がない顧客や、ECサイトの注文にハードルを感じる顧客がポップアップストアを利用しているという。リピーターが多く、スタッフと顔見知りになることも少なくなかった。

ポップアップストアを開催したことで「茨城県に近い千葉や埼玉は比較的、親和性が高いが、神奈川まで行くとまだまだ認知拡大の余地があると気付きがあった」(同)と振り返った。

自社サイトの発信は全国に認知拡大する役割があるとして、インフルエンサーマーケティングなども併せて、今後も注力していく方針だ。