4割超が「セールで購入したい」 購入頻度は月2~3回が最多【シナブルが20代と60代のEC利用時の意識調査】

シナブルはこのほど、ECサイトで商品を購入したことがある20代と60代の男女を対象とした「ECサイト利用時」の意識調査を実施し、その結果を公開した。両年代とも4割超がネットショップでは「セールをしているとき」に商品を購入したいと感じ、商品を絞り込む条件を詳細に指定できる機能が便利だと感じる人が多いことなどがわかった。

EC・通販特化のパーソナライズド・プレシジョンCRMツール「EC Intelligence」を提供するシナブルは、日本全体で73.4%の利用率があるネットショッピングにおいて、年代ごとの頻度や目的の違い、不満点や便利だと感じる点に迫るべく、「ECサイト利用時」の意識調査を実施した。

調査期間は8月7日~8月8日で、ECサイトで直近1年以内に商品を購入したことがある20代と60代、1015人を対象に行った。

ネットショップを閲覧する頻度をたずねたところ、「月に2~3回」と回答した人が19.0%ともっとも多く、「週に2~3回」(18.1%)、「ほぼ毎日」(15.5%)と続いた。

どのようなときにネットショップを閲覧するかをたずねた問い(複数回答)では、20代では「欲しい商品があるとき」(76.2%)、2位が「セールをしているとき」(48.6%)、「溜まったポイントを使って買い物をしたいとき」(29.7%)の順で回答が多かった。

一方、60代は「欲しい商品があるとき」(85.8%)、「セールをしているとき」(41.0%)」、「気になる商品の情報が欲しいとき(35.7%)が多くの回答を得た。

20代は、セールの実施タイミングやポイント利用時にネットショップを積極的に利用する傾向が示された。一方で、60代は明確な購買目的に加えて、情報収集の場としてもネットショップを活用していることが明らかになった。

どのようなときにネットショップの閲覧をやめるかをたずねた問い(複数回答)では、「欲しい商品が見つからなかったとき」が47.0%ともっとも多くの回答を得た。次いで「商品を購入したとき」(46.4%)、「商品の検索結果が求めているものとは違ったとき」(20.6%)となった。この結果から、消費者は具体的な目的を持ってネットショップを訪れることが多く、目的が達成されない場合には閲覧をやめる傾向があることが示唆されたとしている。

ネットショッピングの頻度をたずねたところ、20代、60代ともに「月に2~3回」(20代:27.6%、60代:28.6%)がもっとも多く、「月に1回」(20代:21.9%、60代:25.4%)が続いた。3番目に多かったのは、20代が「週に1回」(14.7%)、60代が「3カ月に1回以下」(19.9%)だった。週に1回はネットショッピングをする人が一定数いる20代と比較し、60代はネットショッピングの頻度がやや低いことが明らかになった。

どのようなときにネットショッピングで商品を購入するかをたずねた問い(複数選択)では、「より安く購入するために比較したいとき」(57.4%)の回答がもっとも多く、「欲しい商品を実店舗では扱っていないとき」(38.6%)、「クーポンが使えたりポイントがついたりするとき」(37.2%)が続いた。多くの消費者は、より安く商品を買うためにネットショップをチェックしたり、クーポンやポイントを活用したりと、お得に商品を購入することを重視していることがわかる結果となった。

ネットショップで主に購入するものをたずねた問い(上位3つまで選択)では、20代の1位は「日用品・生活雑貨」(32.3%)、2位は「衣類・小物類」(32.1%)、3位は「美容・コスメ」(31.5%)だった。対して60代は、1位が「食料品(39.3%)、2位が「日用品・生活雑貨」(36.1%)、3位が「衣類・小物類」(31.6%)だった。

両世代に共通して、「日用品・生活雑貨」「衣類・小物類」が上位に入っていることから、世代を超えてこれらのカテゴリーがネットショッピングにおいて重要な地位を占めていることが明らかになった。一方で、20代では「美容・コスメ」が、60代では「食料品」がそれぞれトップ3に入っており、世代ごとでネットショッピングの目的が異なる傾向が示された。

ネットショッピングで不満に思うことをたずねた問い(複数選択)では、、「実際に商品を手にとって確認できない」(54.6%)の回答がもっとも多く、次いで「写真だけでは商品の様子がよくわからない」(42.9%)、「送料がかかる」(42.4%)となった。ネットショッピングの利便性が広く認識されている一方で、半数以上が実際の商品を確認できないことに対する不満を抱いていることが明らかになった。

ネットショッピングで便利だと思うことをたずねた問い(複数回答)では、20代、60代ともに「24時間いつでも利用できる」(20代:66.7%、60代:83.4%)がもっとも多い回答を得た。次いで20代は「クーポンが使えたりポイントがついたりする」(39.6%)、「重い荷物を運ばずにすむ」(35.4%)。60代は「重い荷物を運ばずにすむ」(45.8%)、「商品の比較が簡単にできる」(45.4%)、「クーポンが使えたりポイントがついたりする」(45.4%)となった。

時間に縛られずに買い物ができることが、両世代にとって大きな魅力であることが示された。また、特に60代では、重い荷物を運ばずに済むことや商品の比較が簡単にできる点に魅力を感じていることが明らかになり、体力的な負担を軽減してじっくりと商品を選びたいというニーズがあることがわかる結果となった。

ネットショッピングの際あると便利だと思う機能をたずねた問い(複数回答)では、20代、60代ともに「商品を絞り込む条件を詳細に指定できる」(20代:42.1%、60代:42.2%)がもっとも多い回答を得た。次いで20代は、「商品のレビューや満足度が見られる」(36.4%)、「お気に入りに登録した商品が値下げしたら通知がくる」(30.5%)。60代は「お気に入りに登録した商品が値下げしたら通知がくる」(37.9%)、「クーポンがあるかどうかがすぐわかる」(36.5%)となった。

両世代ともに、「商品を絞り込む条件を詳細に指定できる」機能を重視していることから、買い物の際に自分のニーズに合った商品を効率的に見つけたいというニーズが共通していることがわかった。

ネットショップを見ていて商品を購入したいと思うタイミングについてたずねた問い(複数選択)では、「セールをしているとき」(57.1%)の回答がもっとも多く、次いで「割引き価格になっていたとき」(52.9%)、「実店舗で見た価格より安くなっていたとき」(40.6%)となった。消費者が購入を決断するタイミングは主に価格に関連していることがわかる結果となった。

これらの結果を受けシナブルは、両世代ともに、必要な商品や興味を持っている商品があるときにネットショップを閲覧する傾向が強いことが明らかになり、消費者が特定の商品を探している際にまずオンラインでの確認を行うことが一般的であることが示唆されたと分析した。

ネットショッピングで購入するものについては、世代間で共通する点とそうではない点があり、「日用品・生活雑貨」や「衣類・小物類」は共通して上位にランクインしたが、20代では「美容・コスメ」がランクインしており、新しいトレンドに敏感で、自分を表現するためのアイテムや日常的な消費に重きを置いていることがわかる結果となった。

ネットショッピングの便利な点としては、両世代ともに24時間いつでも利用できる点を挙げており、時間の制約が少ないライフスタイルにおいて、自由な時間にショッピングを楽しめる利便性が重要視されていることがわかったとした。

商品を購入したいと思うタイミングは、セールをしているときや割引き価格になっていたときなど、商品の安さやお得さが購入の決め手になっていることがうかがえる結果となった。消費者は価格の割引やセールを購入の動機としており、購買行動を大きく左右していることが明らかになったとし、ネットショップで購入してもらうためにはセール情報を見逃さないような仕様が重要となってくるのではないかとの見解を示した。