トレンドマイクロは9月2日、Windows PC向けにディープフェイク検出ツール「トレンドマイクロ ディープフェイクスキャン」(ベータ版)を無償で提供すると発表した。同ツールは、Microsoft Teamsや、Zoom、LINEといったPC用ビデオ通話アプリケーションに対応しており、ビデオ通話中にディープフェイクの可能性を検出すると利用者に警告を表示する。

  • ツール起動画面(左)・ディープフェイク検出時の警告ログ(右)

    ツール起動画面(左)・ディープフェイク検出時の警告ログ(右)

ビデオ通話中にツールを起動させるとリアルタイムで分析し、通話相手のカメラ映像がディープフェイクによるフェイススワップの可能性がある際には、利用者に警告メッセージを表示し注意を促す。また、YouTubeなどのライブ配信にも対応しており、ビデオ通話と同様にライブ配信者にフェイススワップの可能性がある場合には検出し警告メッセージを表示する。

  • ディープフェイク検出時の警告メッセージ

    ディープフェイク検出時の警告メッセージ

AI技術の進歩にともないディープフェイクの巧妙化や乱用が懸念されている。近年新たな犯罪手口として、警察庁が注意喚起している「SNS型投資詐欺」や「SNS型ロマンス詐欺」でもその手口においてビデオ通話が利用されているという。

トレンドマイクロの調査でも、73.5%がディープフェイクの悪用に対して、「不安を感じている」と回答している一方で、半数以上である58.6%が「対策方法が分からないため、特に何もしていない」と回答しており、悪用による今後の被害の増加が懸念される。