お仏壇のはせがわ、EC売上は毎年約20%増 納得できるページづくり、電話対応に注力

仏壇・仏具などを販売するはせがわは、オンライン販売が伸長している。2024年4-6月期(第1四半期)の売上高は1億2800万円で、全体売上高の2.7%を占めている。2018年にECサイトの開設から1年に約20%増のペースで推移しているという。

ECサイトの運営は、店舗販売経験が豊富なスタッフや、仏壇・仏具に詳しいスタッフ約10人が行う。店頭と同様に、きちんと説明し、納得して購入してもらうページづくりを心掛ける。電話問い合わせにも対応し、商品選びの相談を受けている。

現在、ECサイトの取扱商品数は約4000点。今後、さらに取り扱い点数を増やしていく予定だ。

「世間一般に仏具や仏事などの正しい情報と商品の魅力を発信していく。はせがわを使ってよかった、と思ってもらい、お客さまの役に立つ、喜んでもらえる商品の提供をしていきたい」(カスタマーコミュニケーション部 EC推進チームリーダー 高橋信介氏)と話す。

材質や仕掛けが分かりやすくなるよう、文章や商品写真を工夫している。盆提灯については今年、明かりがついた時の見え方が分かるように、ほぼ全ての商品の動画を撮影し追加掲載した。

▲盆提灯

周忌や彼岸など仏事に関するコラムも集客につながっているようだ。頻繁に触れるものではないので、ネット検索されることが多く、コラムからサイトへの流入も少なくない。

ECサイト開設時は、仏壇・仏具をネットで販売することに疑問の声もあったというが、店舗がないエリアや、店舗に行く時間がない人からの需要に応える形で定着している。離れて暮らす家族に贈る例もあるそうだ。

近年は住宅が狭小化したり、仏間のない家が増えたりして、仏壇が減っている。家具メーカーとコラボして開発した洋間にも置けるようなデザインの仏壇や、高さ120センチメートルほどのコンパクトな仏壇なども取り扱い、新たな需要を取り込んでいる。

「デザインが現代的になっても、仏壇の意味合いは変わらない。手を合わせる場所、その行為を提供している」(同)と言う。